御劔
□2話
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あれから一時間、川から離れなかった。のどを潤すのと翼を観察する為に
『この翼しまえるかなぁ?』
バサッ
小さな疑問からやってみたら見事に翼は背中から消え、ただの人になった。
『しまえるって事は、鳥にもなれる?』
那拓の頭の中に
翼が生(ハ)える=鳥に生(ナ)れる。
の方程式が出来た。
『此処森だから鳥の方が良いよな。』
バサッ
《鳥に生れた。よし、これで良いな。》
【おっ見掛けねぇ奴だな。】
ふいに鴉が近寄ってきて話しかけられた
《なんだ、鴉か。》
【それはお前もだろ。
見たところ……朱雀神だな。】
急に出て来た朱雀神という言葉
《朱雀神?
朱雀ってあの四神の?》
【あぁ、四神の朱雀だ】
俺はあの四神の朱雀になったみたいだ。
そんなつもりはないが、この鴉が言うから本当なんだろう
《そうか……、》