小説
□‡実情の後先.
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「吾代、それだから貴様は女にモテんのだ」
「だーからテメーに、んな事言われる筋合いなんざねぇって言ってんだろ!!」
「貴様の行動にはマメさが足らん。世の男共を少しは見習ったらどうだ?
なんで少しばっかし、書類を届けるのが遅れたくれぇで、モテねぇ男呼ばわりされなきゃなんねぇんだっての…;
「男共が女に媚び諂う様は、貴様など足元にも及ばん程、実に奴隷らしく、健気ではないか」
「そりゃモテるって言わねぇだろが!
だいたい、俺の事ばっかり難癖つけてやがるテメーはどーなんだ?
その踏ん反り返った態度のど・こ・に、マメさがあるっつーんだよ!!?」
「…フム、男とゆう人種には二通りあるだろう。
マメさが必要不可欠な種と、ただ在るだけで、成立する種がな」
…なんだそりゃ……;
「要するに、
テメーはその後者だって言いてぇんだな?
フン!笑わしてくれるぜ、テメーの周りの女っつったら、
せいぜい探偵ぐらいのもんじゃねぇか。
どこが俺と違うってんだ」
「まったく近寄りたくもない存在と、近寄りたくとも近寄れない存在とゆうのは、まるで中身が違う」
「結果は一緒じゃねぇーか!!」
「馬鹿を言え、その後の展開が雲泥の差だ。
我が輩は、必要に応じて受け入れが可能なのだ…
もっともここ暫くは、必要性を感じる事もないので、シャットダウンしているがな」
…シャットダウン…?;
「テメーには ON OFF 自在な、フェロモン装置でも付いてんのかよ…」
まあ化け物だしな…、
どんな装置付いてても、
今更驚きもしねぇが…:
「貴様に説明しても、どうせ理解は出来まい。
だが、そう捉えても的外れではない。 …要は、
女を抱きたい時にのみ、開放される物がある。
…と、まあ…」
コツンッ…
「! …探偵か?………………いねぇ…;」
「確かに今、ドアの前にいたのはヤコだ」
「!!…今のテメーの話し、聞いちまったんじゃねぇのか?;」
「そうだとして、何故逃げる必要がある?我が輩は単に、昔語りをしていたに過ぎんではないか」
「…昔だろうが何だろうが、テメーの口から、
他の女の話し聞いて気分いいわけねぇだろ」
「フム…、そんなものか」
「…いい加減気付や、あいつの気持ち」
「貴様に言われるまでもない」
「って、コラ化け物、テメー探偵の気持ち知ってたのか?つーか、テメーらいったい今どうゆう関…Σぐはっ!!!」
「吾代、少し出てくるぞ。
貴様は留守番しておけ」
「ってぇなぁ、いきなり裏拳…っておい!!
留守番なんかゼッテーやってやんねぇからな!聞いてんのかゴラ!!!」
………フン、
柄にも無く焦りやがって…
裏拳は八つ当たりかよ;
やってらんねぇぜ、まったく。
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