小説
□‡核心は甘く遠く….
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「ヤコ、ここで着替えろ」
「……はあ!?」
「ここで着替えろと言っているのだ」
「…じょ、冗談でしょ?」
「我が輩、ストリップとゆう物が見てみたい」
「!!!ス…スト…;;」
「…イヤか?」
我が輩は、究極の選択用の表情で攻めてみた。
「……」
悩んでいるようだ。
「………;…;;;;;」
究極の二択で、頭の中で湯豆腐が出来そうな気配だ。
「…ィ、嫌に決まってんでしょ!!いくら私が貧相でも、羞恥心くらいはあるよっ!!」
…チッ、恐怖よりも羞恥心の方が勝ったようだ。
まあ、人間の女としては当然なのかもしれんが、
飽くまで拒むのであれば、致し方ない…
「では、我が輩が自ら着替えさせてやろう」
「!!ちょっ、やっ!」
まずは煩いヤコをソファーへ押し付け、
次に二本の細い腕を捻り上げると、我が輩の掌一枚により頭上で固定した。
足をばたつかせてはいるがそんなものは…、
馬乗りになってしまえば、問題にもならん。
…我が輩の下に組み敷かれた、奴隷の姿を見下ろせば、何と脆弱で貧相な事か…
せめて抗いさえしなければ、こうして組み敷かれることもないのだがな…
身の程知らずとゆうか、
学習能力の欠如とゆうか…、愚かしい限りだ。
「いい加減にしてよネウロ!…これ以上何かしたら、冗談じゃ済まさないからね!!」
四肢の自由を奪っても、まだこの煩い口が残っていたか…、
耳障りな物は、黙らせるに限る。
「…黙れ」
鼻が触れる程の距離で、威嚇混じりに吐き、
ヤコの唇に己の唇を被せる。声を漏らさないように。
言葉を飲み込むように…。
その行為自体は、ただそれだけの為。
深い意味など…無かったはずだ。
…ああ、これは“くちづけ”と言ったか…
行為の名を意識した途端、ヤコの唇の柔らかさに気を奪われた。
雑音を塞いでいただけの我が輩の唇が、無意識に…、
別の行動を開始した。
ヤコの唇をこじ開け舌を捩込むと、それに触れたヤコの舌が、ピクンと畏縮し逃げ出した。
それを無理矢理搦め捕り吸い上げると、我が輩は深く深く、くちづけた。
ヤコの匂いが鼻孔に流れ込み、我が脳髄を痺れさせ、三半規管を揺るがし、軽い眩暈を起こさせた…、クラクラとするその感覚に反し、意識は妙に尖りだす。
“くちづけ”とゆう名を思い出したが為に、遮断されていた本来の行為を、再び開始する。
グッショリと濡れた、制服のボタンに指をかけ、それを順番に外してゆくと、我が輩の身体の下で、ヤコは身をよじり抵抗をしているが、そんなことを気に止めることも無く、それは続行された。
スカートの中に、差し込まれていた部分も引きずり出すと、我が輩は漸く唇を剥がし、一気にブラウスの
前を開いた。
「いやぁっ!!」
ヤコは当然の如く、悲鳴をあげた。…だが、
我が輩の視線は、そのヤコの顔ではなく、別の部分に釘付けにされる…。
ヤコの濡れた白い肌に、無数の紅い花が散りばめられていた。
これは所謂…
“キスマーク”と、ゆう物か…?
誰が付けた?
誰に付けられた?
…フライデーの映像に、そんな行為は映し出されてはいなかったはずだ。
我が輩は、
灼熱の杭が、ジリジリと音をたてて、この胸に打ち込まれてゆくかのような感覚を味わっていた。
「…いい加減にしてよ…、感情も解んないくせに、こんな事しないで!!!」
「…ヤコ、貴様は誰の物だ?」
「…私は誰の物でもない…、あんたの物でも…ないよ」
「…フン、ならば刻んでやろう、我が輩の物である証しを」
その言葉に、ヤコは身を硬くした…
我が輩は、白い胸元にくちづけその肌を吸い、魔力を込めて…
二度と消えない、『印』を刻みつける。
「痛っ…、そんな物、何の証しにもならないのに…。
ネウロは…、こんなことしないと思ってた…」
「…何故だ」
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