小説

□†進化のベクトル【※微裏】
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【二日目】



「うひゃ!もうこんな時間…」

時間は既に午後5時を過ぎていた。
私は昨日事務所の帰りに、若菜のタコ焼きをタンマリと買い込み、
自宅でそれをゆっくり堪能…そして、ぐっすり寝てしまった。
コッテリあった宿題の事なんかスッカリ忘れ、惰眠を貪ってしまったのだ!
…クラスで一人だけ宿題をやって来なかった私は、先程まで先生とマンツーマンで補習を受けさせられていた…


…ヤバイ、拷問のフルコースが待ってる。
少しでも早く行って、1つでも軽減させなければ!!!

…拷問を受ける事を前提で考えてる、マイナス思考の自分が情けないけど、
拒否権がない以上数を減らす努力をするって事が、今の私にとっては最大のプラス思考に繋がって行く!!

大概不条理だけど、それが現実でもあるのだ。


私は全速力で走った。
15分程でビルの前までつき、そこで息を整えながらエレベーターのボタンを押す。
…心臓は未だ跳ねるのをやめない。
…それは走ったせいなのか、それとも自分を待ち受ける拷問への恐怖からなのか…自分でも選別出来ないけど、
どっちにしても、不快である事に変わりは無かった。


エレベーターは一瞬で停まり、扉が開くと目の前に魔人へと続くドアが出現する。
私は意を決して歩み出すと、勢いよくドアを開け放った。

「ごめん!遅くなりました!!」とまず謝ると、次にくるであろう怒涛の責めを喰らう為に、身構えた………が、


天と地が逆転する事もなく、何かが飛んでくる事もなく、
あのデカイ手で頭を握られる事も……無かった。


「…ん?」

私は緊張していた全身の筋肉と、条件反射的に固く閉じていた目を開放してみる。

「…あれ?いな…い?」

あ、そういや今日は呼ばれた覚えがない…
なんか嫌な癖がついてきちゃってる気がする。

目の前のソファにも、所長椅子にも、天井や壁…
どこを見てもネウロの姿はない…

すると、コンコンっとあかねちゃんに呼ばれた。





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