小説

□†等価交換
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 ♪♪♪〜

聞き慣れたメール着信音がなった…



 From ネウロ
 Sub (non title)
――――――――――――
  すぐに来い






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「………ピッ…」

「…はぁー…」


あの惨劇から一週間…
あいつはまるで何事も無かったかのように、毎日私を呼び付ける。

そして、呼ばれたからと言って、のこのこ姿を見せてしまう私も… 正直どーかとは思う…

人間間で起こった事ならば完全に事件だけど…
私の場合、あいつが人外である以上その範疇に括る事すら出来ない『行為』。


実際なんで私まで、何事も無かったかの様な顔をしてあの場所に行くのかと言えば…… 諦めてしまっているからだろう。

あいつは魔人だから…

感情を理解出来ないから…

してしまった事への後悔などどうせ望めはしないのだとゆう、絶望にも似た……諦め。


幸いあいつはあれから何も仕掛けてはこない。
単に興味が他に移ったのか、手を出してみたはいいがそれ程楽しくも無かったので飽きたとか…おおよその見当はつく。
そーいや…
進化がどうとか言ってた様な気もするけど、そんな理由で身体を奪われるなんて、私にしてみたらたまったもんじゃない。


あいつに強引に奪われた唇にあの時の感触が甦り、条件反射的に掌で口を覆う…


「ファーストキスの相手が魔人だなんて…絶対にカウントしてやんない!!」


でも、あいつが男で私が女である以上、この危険は付き纏う事になるのだと、未だうっすらと残る、皮下出血の痕が物語っていた。

ただでさえ命の危険に曝されてるのに、貞操の危機までプラスされるわけにはいかない!

でも…どうやって阻止すればいい……?

あいつは謎解きに必要な、データとしての知識を集めるのに長けている。でも元の性格のせいなのか、即物的な捉え方しかしてない様な気がしていた…

憎悪を抱いている人間の全てが犯罪に走る訳じゃない。ちゃんと消化して前に向き直れる人間もいる。でもそこに辿り着くには、色んな感情があって、それを乗り越えて到達できるまでの、長い長い道のりがある…

あいつは、そこら辺を全てスルーしている。…まあ、謎が存在しない以上、考える必要すら無いという言い分は私にも判るけど…
でも全てにおいて間を端折っていたら、理解なんて到底出来ないだろうに…


「理解するつもりなんて元々無いか…はははっ」


頭の中の思考が不意に口をついて出てきた。
もういい加減、思考を巡らすのにも疲れてきていた。毎日毎日繰り返される纏まりのつかない思考…

でも今日こそは!
絶対に活路を見出だしてやるっ!





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