□タカラモノ:文□

□『ハロウィンに』【柳沢セイ様作品】
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『ハロウィンに』


今日は楽しいハロウィンパーティーだ。都合よく学校も休みだし。お菓子や飲み物も沢山用意してあるし。

「おはよー」

私は勢いよく事務所の扉を開けた。
まだ昼前だと云うのに、事務所の中は薄暗く、魔人の姿も見えない。

「ネウロ?どこ?」

一歩事務所に足を踏み入れると、独りでに扉が閉じて、カチャリと勝手に施錠した。

「ネウロ、居るんでしょ?」

暗闇のなか目を凝らせば、緑色の光が見えた。

「ネウロ?」

暗闇の中でゆらりと立ち上がったそれは、いつもの魔人ではなく、

…狼男だった。





「ヤコか?
ちょうど良い。我が輩、腹が減っていたのだ」

「謎なら、無いよ…?」

「謎?ふは。今の我が輩は、貴様を喰いたいのだ」

言うが早いか、くわっと大きな口を開けて襲いかかってきた。

「やっ、ちょっ、まっ…」

「待てんな」

ベロリと舌舐めずりして、私のハロウィン衣装を噛み千切る。

「ひゃぁん」

私は素っ頓狂な声をあげた。

「いただきます」

私の首筋に噛みつきながら、
狼男が言った。



おしまい
09.10.30

――――――――――――――

九印が描いたハロウィン絵に、柳沢様が文章をつけてくださいました。

あれですよ、事務所でこれをやってる様を思い浮かべると激しく萌えました!
いやそりゃ事務所なのが当然なんですけど、
九印何故か場所はなにも思い浮かべず描いちゃったので、気がつかせて頂いて楽しかったですw

柳沢様、素敵な文章を有り難うございました!
 

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