□タカラモノ:文□

□『その欲の名は』HINA様作品(激裏)
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その欲の名は

「あっ……あ、あ、ぁんっ…ネウロ……」

 事務所に響く、ヤコの甘い声と卑猥な水音。いわゆる「情事」の真っ最中。

 我が輩の下で、我が輩を受け入れ、与える快感を全て呑み込む、小さな人間、ヤコ。我が輩の采配次第で体が反応し、顔は快楽に歪む。その様を見ると、この上なく気分が高揚する。

 この感情を何というのか。

「あっ、あっ…ネウロ、ネウロっ!」
「っ…ヤコ……」

 ヤコの中が一際狭くなり、それは我が輩をも絶頂に導こうとする。ことさら腰を激しく突き上げ、互いにきつく抱きしめ合う。

「あ、あ、ああああぁぁぁ!!!」

 弥子の体が大きくしなり、我が輩は熱い欲望を解き放った。そのまま顔をヤコの髪に埋め、しばし余韻に浸る。

 呼吸が整ってきた頃、どちらからともなく、唇を重ねた。顔を離して至近距離で見つめ合えば、またあの欲が湧き上がり、貪るように深く唇を吸って。
「んんっ……ふ…ね、う…ぅん……」
 ヤコの中に留まったままの自身に血が通い始めるのが解る。
「ヤコ……」
「あ、ネウ、ロ……あ、あ…はぁっ……」
 ゆっくりと腰を動かせば、ヤコは悩ましげに眉を寄せ、口から甘い吐息が漏れる。普段からは想像も付かないほど官能的な姿に、我が輩はただ煽られるばかりで。

「まったく……女というのは皆このような隠し球を持っているのか?」
「……え? …ぁ……」
「サンプル数が一つだと、検証が難しいな……」

 そう言うと、ヤコは我に返ったように目を見開いた。そしてその顔は、今度はネガティヴな色に染まる。

「な、に…ネウロ……私以外の女の子と…したい、の……?」
「フム……貴様一人から人間全体を推測するより、実験体は多い方がいい」
「や……や、だ…やだよ、ネウロ……」

 我が輩の首に回された腕が震えだした。そうして大きく澄んだ眸はたちまち涙に沈んでいく。ヤコの涙を見ると、胸の奥が抉られるような感覚に襲われる。
 それをかき消すように、我が輩はヤコの腰を抱いて強く揺さぶった。
「あああっ……あぁっ、やあっ……ねうっ…やあぁぁっ!」
 ヤコの腕に力がこもる。さっきまで嬌声にしか聞こえなかったそれは、今は悲鳴にも似て。止めどなく流れる涙が、さらにそれを強調する。

「ネウロ、私、あっ…単なる…実験、体のっ、一人……?」
「……貴様は、我が輩の奴隷……だろう?」
「……好き、とか、じゃ…ないの? 今、ぁぁっ…こうして、るのも…?」
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