Mint 2

□Winter again
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「…――ぁ、雪?」


街はX'mas一色で所々の家はイルミネーションで鮮やかに、彩られている。
そして、今日は恋人達が幸せそうに寄り添って歩いていた。


先程仕事が終わり、街に来て夕食を食べようと街を歩いていた。周りをちらちらと見ながら歩くと頬に冷たいものが落ちてきた。
空を見上げれば、雪がハラハラと降っていた。



僕は恋人がいない事、今日で丸、3年…――。
大学を出て働いてから当時の彼女と中々会う時間が合わず、互いに距離が離れてしまった。
そして連絡も切れて自然に別れた。落ち着いた頃には、もう数ヶ月経っていた。
別れて大分経ったある日、彼女には既に彼氏が出来たと親友のアスランから聞いた。



「はぁ…――何でクリスマスとかって彼女が欲しくなるんだろ…――。
…よりによって、今日はホワイトクリスマスだし…あの日と同じだ…――」


マフラーを鼻まで上げて一人寂しく街中を歩く。
ボーッと周りを見ながら歩いているとドンッと何かと当たる鈍い音が自分の胸の辺りで聞こえた。


「「…っ―――ッ」」


ぶつかった衝撃は、そんなになかったが油断していたせいか、衝撃が一瞬あり声を上げた。
しかし、自分以外の声も聞こえ、下を向くとピンク色が胸の辺りにある。ちゃんと見ればそれは人の頭だと判った。
元カノもピンク色の髪で、甘い香りをしていた。それが今、昔を思い出させるような甘い香りとピンク色の髪が目の前にある。


「…あっ、ご、ごめんなさい…!あの、大丈夫ですか?」


昔の事を思い出していたが、ふと今の状況に気付き、慌てて声をかけると懐かしい声が返ってきた。



「ぁ…っ、いえ、こちらこそボーッとしていてすみません///」


彼女が顔を上げると、そこには前よりももっと綺麗に成長した元カノだった…。




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