うみねこ

□静まり返ったこの島で
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そして、彼らは目的の場にたどり着いた。


「よっし!着いたぞー!」

一人が声をあげた。
先ほどまでの木々はないその開けた場所には、光り輝く星をのせた大空とその星星を移す海があった。

まるで夢物語のようなその光景に、彼らは言葉を失い、その場はさざめく波の音だけが響く。
が、次の瞬間には

「…ぅお!すっげー!まじすげぇ!」

「だろ!?だろ!?私も始めてみたとき驚いたぜ?」

「…ぅ?」

「あ、真里亞ちゃん起きた?ほら、見てごらん」

爆発したかのように一気に騒ぎ出した。

「う?…うー!!すごいきれい!きれい!」

「だな!きれいだよな!うぉー!」

「そ、そこまで喜ぶか…まぁ教えた身としては嬉しいけどよ」

「うん、本当綺麗だよ。教えてくれてありがとう朱志香ちゃん」

やかましいとまでいえる大きな声で騒ぐ彼ら。
けれど、今それを言うような無粋なものたちはそこに存在しない。
そう、いまここには作戦を成し遂げた彼らしかいないのだ。

「皆にバレないように、ゲストハウス抜け出すってのは楽しかったな!」
「真里亞またやりたい!」

達成感にあふれた彼らの笑顔が、まるで空で輝く星空のように明るく輝いていた。




END
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