絶望的最終幻想

□sweet
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「…困ったな…甘い物は苦手なんだが」


もっさりと積まれたチョコの山にウンザリしたように溜め息をつくと、セフィロスは電話を取る。


「…アンジールか?…俺の部屋で異常事態が発生した。…ああ、すぐに来てくれ。…ああ」


困った時の友達…
困った時のアンジール。

異常事態…チョコの処理は全てアンジールに任せる事にサッサと決めたセフィロスは、これでもう安心だとばかりに、電話を切ると椅子に深く腰を落ち着かせる。


「…ふぅ。…ん?」


と、さっき開けた小箱を持ったままだということに気がつく。


(……開けてしまったからには……コレは俺が処理すべきか?)


アンジールの事だから、他の手付かずのチョコは他の人間に譲渡するか、趣味の菓子作りに再利用できそうだが…
一度開封してしまったこのトリュフは、譲渡する事も再利用するにも不便だろう。


そう考えたセフィロスは、意を決して小さな粒を指で摘み上げると、パクリと口へ放り込む。


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