絶望的最終幻想

□sweet
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興味を失ったメッセージカードを机の引き出しに適当にしまうと、次は小箱の方を確認する作業に移るセフィロス。

淡々と封を切り、蓋を開ければ…


「………チョコレート…か?」


そこには、小さくいびつなトリュフチョコが1粒だけ鎮座していた。

色と形からして手作りのようだが…何故手作りチョコが自分宛てに届くのか、何故1粒だけなのか…セフィロスは、片眉を上げて首を傾げると暫し思い悩む。


(…チョコなど何故?…ん?もしやあのゴテゴテした山全てチョコか?…………新手のテロか?)


2月14日。
それは世間一般では、意中の人へ愛を込めてチョコレートを贈る日である。

だが、英雄セフィロスは今日がその日だということを知らない。

他に類を見ない美貌の造形をしている神羅の英雄セフィロスは、全世界の異性同性問わずにモテモテであるわけで…。

毎年神羅には、実にトラック15台分ものチョコが届いているのだが…あまりの多さに、例年は神羅が独自に結成したチョコ処理班により、セフィロス自らが受け取らない限りは1つも彼の手元に届かないようにされているのだ。


そんなわけで、セフィロスはバレンタインデーという物を知らず、たくさんのチョコを前に“テロ”呼ばわりしてしまったのだ。


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