絶望的最終幻想
□魔胱都市は今日も平和です。〜冬ver〜
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アンジールは、ソッと(一応)可愛い後輩にハンカチを渡してやってから、相変わらず馬鹿2人に絡まれたまま(けど無視)のクラウドに向き直り、「うーん」と首を捻ります。
「…ああ、そうだな。ザックスの言った通り、ここは魔胱の影響が大きいから、確か…前に雪が降ったのは四、五年前だったな。」
「わぁあ!じゃあ、本当に珍しいんですね!!俺の田舎じゃ雪降らない方が珍しいから…」
少しはにかんで窓の外に目をやったクラウドに、4人はハッとする。
(これはもしや…)
(ホームシックというやつか?)
(でもクラの奴今までそんな素振り見せたことないぜ?)
(馬鹿犬め…この気高い天使がそんな姿を人目にさらすわけないだろう)
(うむ。“俺”のクラウドは健気だからな!)
(誰がお前のモノだ!!この変態英雄め!!)
(コラッうるさいぞ!ケンカは余所でやれ!余所で!!)
いきなり部屋の隅に4人集まってコソコソし始めた事に、クラウドはキョトンっと首を傾げる。
「なにしてんだろ?…ま、俺には関係ないっか」
実は議題に上がってるホームシックの“ホ”の字にもなっていないクラウドは、凄い勢いで降り始めた雪を眺めながら暢気に茶を啜る。
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