絶望的最終幻想

□魔胱都市は今日も平和です。〜冬ver〜
3ページ/12ページ


アンジールは、ソッと(一応)可愛い後輩にハンカチを渡してやってから、相変わらず馬鹿2人に絡まれたまま(けど無視)のクラウドに向き直り、「うーん」と首を捻ります。


「…ああ、そうだな。ザックスの言った通り、ここは魔胱の影響が大きいから、確か…前に雪が降ったのは四、五年前だったな。」

「わぁあ!じゃあ、本当に珍しいんですね!!俺の田舎じゃ雪降らない方が珍しいから…」


少しはにかんで窓の外に目をやったクラウドに、4人はハッとする。


(これはもしや…)

(ホームシックというやつか?)

(でもクラの奴今までそんな素振り見せたことないぜ?)

(馬鹿犬め…この気高い天使がそんな姿を人目にさらすわけないだろう)

(うむ。“俺”のクラウドは健気だからな!)

(誰がお前のモノだ!!この変態英雄め!!)

(コラッうるさいぞ!ケンカは余所でやれ!余所で!!)


いきなり部屋の隅に4人集まってコソコソし始めた事に、クラウドはキョトンっと首を傾げる。


「なにしてんだろ?…ま、俺には関係ないっか」


実は議題に上がってるホームシックの“ホ”の字にもなっていないクラウドは、凄い勢いで降り始めた雪を眺めながら暢気に茶を啜る。


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ