絶望的最終幻想
□〜再生1〜
6ページ/28ページ
「…重いぞ、相棒」
「我慢しろよ、と」
巨大な卵を抱え上げながら、レノとルードは社長の部屋を後にしていた。
「しっかし、『自分で拾ってきたなら、責任もって自分で育てろ!』なぁんて…お袋みたいなこと言うな!って感じだな、と」
「社長は正論を言ったと思う。…お前は、出来の悪い息子だからな、相棒」
「余計なお世話だぞ、と…」
社長ルーファウスは、謎の言葉を吐いた後、巨大卵をレノ達に「育てろ」と命令した。
だが、拾ってきた当人が面倒がってゴネた為、先程のセリフをもってレノを叱ったのだ。
正論以外の何ものでもないのだが…。
レノとしては、「元々神羅のモノ」という言葉が気になっていて、素直には受け入れられなかった。
「それにしても、“神羅のモノ”とはなんだろうな?相棒」
「さあな。どうせ幹部連中しか知らないクダラねぇ極秘ネタだろ、と」
「…宝条がからんでたら、大惨事になるかもしれないぞ?」
「……………それは勘弁だぞ、と」
「「…………。」」
外見も性格も違えど、似た者同士…。
巨大卵を囲んで、どんよりとした空気に沈黙したまま固まる。
「………す、捨てちまうか?、と」
「…そんな事したら、社長に怒られるぞ?相棒」
「……だよな、と」
トボトボと、暗い顔をして歩き始める2人…。
そんな2人を嘲笑うかのように、腕の中の巨大卵は微かに光るのであった。
.