絶望的最終幻想

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「…重いぞ、相棒」

「我慢しろよ、と」



巨大な卵を抱え上げながら、レノとルードは社長の部屋を後にしていた。



「しっかし、『自分で拾ってきたなら、責任もって自分で育てろ!』なぁんて…お袋みたいなこと言うな!って感じだな、と」

「社長は正論を言ったと思う。…お前は、出来の悪い息子だからな、相棒」

「余計なお世話だぞ、と…」



社長ルーファウスは、謎の言葉を吐いた後、巨大卵をレノ達に「育てろ」と命令した。
だが、拾ってきた当人が面倒がってゴネた為、先程のセリフをもってレノを叱ったのだ。



正論以外の何ものでもないのだが…。
レノとしては、「元々神羅のモノ」という言葉が気になっていて、素直には受け入れられなかった。



「それにしても、“神羅のモノ”とはなんだろうな?相棒」

「さあな。どうせ幹部連中しか知らないクダラねぇ極秘ネタだろ、と」

「…宝条がからんでたら、大惨事になるかもしれないぞ?」

「……………それは勘弁だぞ、と」

「「…………。」」



外見も性格も違えど、似た者同士…。
巨大卵を囲んで、どんよりとした空気に沈黙したまま固まる。



「………す、捨てちまうか?、と」

「…そんな事したら、社長に怒られるぞ?相棒」

「……だよな、と」



トボトボと、暗い顔をして歩き始める2人…。



そんな2人を嘲笑うかのように、腕の中の巨大卵は微かに光るのであった。





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