絶望的最終幻想

□帰還〜釣り人の獲物〜
4ページ/6ページ












「それでスコールが来た日まで本当にもう大変だったんだもんよ!風神てば、毎日泣きそうな顔してるし、サイファーなんて死にそうな顔だったんだもんよ!」
「…そうか」


昼休み…

僅かな休息時間を執務室の応客用ソファでゆったりとくつろいで楽しもうとしていたスコールは、鼻息荒く思い出話を語り始めた雷神に邪魔されていた。


「雷神、煩。スコール嫌気兆、サイファー居眠開始。雷神、退室願」
「あ!悪かったもんよ!」
「いや、別に…」
「帰るもんよ!」
「あ、ああ…」
「我、仕事戻」
「ああ、お疲れ様。…気をつけて頑張ってくれ」
「有難」


風神は、柔らか微笑みをスコールに向けると、雷神の背中を蹴飛ばしながら執務室から出ていった。



昼下がりの暖かい室内で語られた昔話に、スコールの横で聞いていたサイファーはすっかり夢の世界へ行ってしまったようだ。

賑やかな仲間達が去ったあと、サイファーの寝息だけが聞こえる静かな室内で、スコールは優しく微笑んで、大事な補佐官の短い金髪を撫でた。


「…アンタを殺すわけないだろ?……間に合って良かった」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ