絶望的最終幻想
□‡サクラ‡
7ページ/26ページ
「…ハァっ…くっ……っ」
躯が重い…。
ガンブレードを振るい続けた腕も肩も指先も、痺れてしまって…まるで他人の物のようだ。
負傷した右足は、出血し過ぎたせいか、足元の悪い森の中を走り回ったせいか…既に感覚はない。今、立って歩けてるの
のが不思議なくらいだ。
(くっ…ケアルも切れたか…っ)
騙し騙しの回復薬で体力は保っていたが……絶え間ない敵の攻撃に、魔法も体力も切れかけていた。
唯一使えるのは、気力と己の頭脳だけ。
(こうして気配を殺していてもラチがあかないな…)
最初に足をやられたのは、大きなミスだった。
自分の取り柄であるスピード技が一切使えない…。
力技では、1対複数でのバトルに自分の貧弱な躯では向かないし…、魔力が強くても魔法のストック数には底がある。
足をやられた時点で、この戦いに自分の勝ち目は無に等しか
ったのだろう。
(…せめて、サイファー達は無事でいてくれれば良いが)
自分の右足の傷に触れながら、サイファーにつけられた自分と同じ傷を思う。
質の悪い毒に犯された傷口…
急所は外れているが、止血出来ない分…放置すればそう長くは持たないだろう。