絶望的最終幻想
□‡サクラサク‡
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「おっせーぞ!スコール!」
「スコール!!こっちこっち♪」
4月初旬…すっかり日差しも暖かくなり、俺たちガーデン幹部生は毎年恒例のお花見に来ていた。
「スコール」
「…リノア」
柔らかい春の日差しの下、かつて愛した女性は優しく微笑んで俺を手招く。
リノア…キスティス、ゼル、セルフィ、アーヴァイン…
あの戦いを共に生き抜き、幼い頃から全てを共有してきた大切な仲間たち。
だけど…
1人足りない…
(…サイファー)
「スコール、いらっしゃい。みんな誰かさんが遅刻したおかげでずっとお弁当食べるの我慢してたのよ?」
キスティスが自分のとなりを示して、本物の姉のようにいぢわるく笑う。
「…遅くなってスマナイ」
「キスティ、スコールいぢめちゃダメだよ〜。スコールだってわざと遅れたわけじゃないだから〜」
「そうだよ〜!アーヴィンの言うとおりなのね〜ん!それに遅刻はスコールだけじゃな〜い!ね〜?ゼル」
「オレはみんなの分のジュース買い出し行かされてたんだって!」