絶望的最終幻想

□出店!出張!出奔?
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サクッ


サク…ッ


舞い降りたばかりの新雪が、歩くたびに小気味良い音を立てて沈む。

が、そんな音には最早興味のない青年は、懐から携帯を取り出して皮肉気に口元を歪める。


「ハハッ…電話も圏外…か」


そんな青年…クラウドは、真冬のブリザードが吹き荒れるアイシクルエリアに来ていた。

愛用のバイクは、この雪の深さではもちろん使用できず、チョコボでさえ凍死の危険がある為使えない…。


そんな雪山に、体1つで彼がやって来た理由は……


「クソッ…こんな所に2号店出すなよな!!」


そう…セブンス・ヘブン2号店が、この雪山の頂上にオープンしたからだ。

こんな雪山の偏狭の地に…何故ι


「うぅっ…ティファのバカ(涙)」


それでも、大切な幼なじみのお祝い事には駆けつけてしまわずにはいられない、素直で優しいクラウド君。

指先から氷像になりそうな寒さの中を、必死に頂上目指して歩みを止めない。


「だいたい…セフィロスも自分1人だけさっさと空飛んでっちゃうなんて…ヒドい」


だが、口からは恨めがましい言葉が次々と溢れるばかりだった。



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