絶望的最終幻想

□帰還〜釣り人の獲物〜
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「サイファー!マズいもんよ〜!追っ手きちゃうもんよ〜!」
「…」
「サイファー、此処、長居、危険。我等、世界重要犯罪者。追手、来」
「…わかってらぁ」


F.H…
辺りを海に囲まれた職人の街に、サイファー、雷神、風神の3人はいた。

魔女戦争後、魔女の騎士とその仲間として世界中の国から犯罪者として追われ続けたサイファー達は、一カ所の場所に一週間と留まらず各地を転々としていた。


「F.H停泊、既壱ヶ月…サイファー危険」
「…わかってるよ風神」


海に視線と釣り糸を投げたまま、サイフ
ァーは背後に佇む銀髪の仲間に答えた。

注意に注意を払い、常に神経を張り詰めていた逃亡の日々が突如終わったのが、ちょうど1ヶ月前…。このF.Hにたどり着いた時だった。

この海だらけの街にサイファーは何を感じたのか…ここへ着いた途端、彼は少し高さのある堤防からおもむろに釣りをし始めたのだ。

雨の日も風の日も…来る日も来る日も毎日毎日、サイファーはこの場所で釣れもしない魚と格闘している。


「サイファー変だも
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