03/03の日記

15:16
鳴上「ヤンデレ?」完
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陽介「にしてもよく別れることできたよなー」

鳴上「どういうことだ?」

陽介「いやさ、そんだけ重いとなかなか別れてくれないもんなんじゃね?」

鳴上「……」

完二「どしたんスか?」

陽介「別れたと思ってるのおまえだけ……とかそんなオチ?」

鳴上「ま、ま、ま、まさか!!」

完二「めっちゃ動揺してるじゃないっスか!」

陽介「夜道には気をつけろ、な?」

鳴上「はい」


 キンコーンカーンコン

 >昼休みの終わりを告げるチャイムだ
   そろそろ教室に戻らないと…

陽介「チャイム鳴っちまったな」

鳴上「まだ菜々子の話が残ってる」

完二「気になるけど、教室戻らねーと欠席扱いになっちまうぜ」

鳴上「ほ、放課後!」

陽介「あ?」

鳴上「放課後フードコートに集まらないか!?」

完二「すんません、今日お袋から用事頼まれてて」

鳴上「……陽介は」

陽介「わりぃ、俺もバイトなんだわ」

鳴上「そうか……」


鳴上「……」

陽介「この世の終わりみたいな顔すんなって。また明日聞くから」

鳴上「俺に明日は来るのか」

完二「何言ってんスか先輩!」

陽介「相当まいってるな」

鳴上「ご、ごめん、なんでもないんだ……」

陽介「なんならバイト休むぜ?」

完二「オレも付き合いますよ! 恩人の先輩のためって分かりゃお袋も納得してくれるぜ!」

鳴上「ありがとう。心配させて悪かった」

完二「……先輩」

陽介「無理すんなよ」

鳴上「どうしても駄目なときは、頼む……」

陽介「ったりめーだろ、相棒!!」




 >放課後、何かから逃げるように帰ってきた

 >――堂島宅


鳴上「ただいま」

菜々子「お兄ちゃん!」

鳴上「……ただいま、菜々子」

菜々子「お兄ちゃん? お兄ちゃん!」

鳴上「そう? いつも通りだよ」

菜々子「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん!」

鳴上「ああ、今日は俺が食事当番だったね」

菜々子「お兄ちゃんお兄ちゃん? お兄ちゃん!!」

鳴上「そうだね、寒いからシチューにしよう」

菜々子「お兄ちゃん!!」

鳴上「はは、ありがとう」

鳴上(どうしてこうなったんだ……)



 >――その夜


鳴上「……」

鳴上(目が冴えて寝付けないな)

鳴上(……羊でも数えてみるか)

 ――ミシッ

鳴上「!」

 ――ミシッ

 >ゆっくり、誰かが階段をあがってきているような音がする…

鳴上(丁度丑三つ時……)

 ――ミシッ

 >まただ…


 ――ミシッ

 >音はだんだんと近づいてくる!

鳴上(ラップ音の大半は熱膨張が原因だ! この音だってそうに決まってる)

 ――ミシミシミシミシ!

鳴上「!!」

 ――…

 >部屋の前で足音は止まった

鳴上「だ、誰かいるのか?」

 >……



 「誰だと思う?」

 >聞いたことのある声だ…

鳴上「その声は、里中か?」

 「ハズレ、だよ」

鳴上「あ、天城?」

 「またしてもハズレです」

鳴上「直斗!?」

 「んもー、私だよ先輩!」

鳴上「り、りせ……」

 >なぜみんなの声が…


 「アンタ、ほんとにあたしが誰だか分かんないワケ?」

 >…エビの声まで聞こえてきた

 「「「まだ私が誰だか分からない?」」」

鳴上「……あ」

 「「「なら…教えてあげる……」」」

 >ドアが音もなく開いてゆく……

 >…………

 >……

鳴上「うわぁあああああああああああああ!!」







鳴上「――あああああ!」

陽介「うお!?」

鳴上「……よ、陽介?」

陽介「うっす。爽やかな朝だな」

鳴上「え?」

陽介「随分うなされてたぜ。嫌な夢でも見たのか?」

鳴上「……」

 >…夢?
   今までのことは夢だったのだろうか…


陽介「どうした? まだ寝ぼけてんのか?」

鳴上「いや、平気だ……」

陽介「んじゃま、遅刻しねーよーにさっさと学校行く準備しようぜ」

鳴上「……ああ」

陽介「着替えないのか?」

鳴上「……」

陽介「悠?」

鳴上「なぁ、一つ聞いていいか?」

陽介「なんだよ、改まって」

鳴上「どうして……陽介がうちにいるんだ……?」

陽介「………」

陽介「く、クヒヒヒ!」

鳴上「よう、すけ……?」

陽介「決まってんだろォ? 愛しいおまえを、完二なんかに渡したくねーからだよォ!!」

鳴上「なっ!?」

陽介「あと堂島さんと足立さんと生田目とモロキンと久保と長瀬と小西(弟)と一条にも渡したくねーからだよォ!!」

鳴上「多いな」

陽介「……」

鳴上「って全員男じゃないか!!」


陽介「最後は俺んとこに戻ってきてくれるって信じてたぜ」

鳴上「お、俺は何をしたんだ……」

陽介「覚えてんだろ? 忘れたくても忘れらんねーもんなァ」

鳴上「……」

陽介「おまえは言ったぜ、相棒の愛棒すごいことになって――」

鳴上「言うか!!」


陽介「……だな」

鳴上「?」

陽介「これ以上言葉のやりとりはいらねェ」

鳴上「落ち着け」

陽介「俺の愛は言葉じゃ伝えきれねーんだよ」

鳴上「ほんと落ち着いてください」

陽介「相棒……」

 >なぜか体に力が入らない!

陽介「愛してるぜ……」

鳴上「落ち着け! おち――」

 >…………

 >……

鳴上「」





おわり


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