03/02の日記

15:14
鳴上「ヤンデレ?」続
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完二「直斗と……恋人同士とか……」

鳴上「完二のやつ、どうしたんだ?」

陽介「ほっとけよ。直斗はどうだったんだ? うちらの中じゃ常識人な方だろ」

鳴上「俺も最初はそう思ってたんだ」

陽介「やっぱ覆るのね……」

鳴上「直斗は……一番怖かった……」

陽介「怖い?」

鳴上「ああ――」



 case3 白鐘直斗


 >休日、とくに予定もないのでジュネスまで買い物にやってきた

直斗「せ、先輩! 奇遇、ですね……」

鳴上「だな」

 >直斗とばったり顔を合わせた

直斗「あの、お買い物ですか?」

鳴上「ああ」

直斗「……」

 >直斗は何か言いたそうな目でこちらを見つめている

鳴上「一緒に周るか?」

直斗「! ……は、はい!!」

 >直斗はとても嬉しそうだ

 〜〜〜



陽介「フツーに仲良しカップルじゃねーか」

鳴上「それから奇遇ですね、が数十回はあった」

陽介「偶然の域超えてんな」

鳴上「例えば、夜コンビニに行くだろ?」

陽介「小腹が減ったときとか便利だよな」

鳴上「セットで直斗に会うんだ」

陽介「……毎回?」

鳴上「毎回」

陽介「それ、ストーカーだな」

鳴上「俺もそう思う」


鳴上「ふと夜中に目が覚めたことがあった」

鳴上「部屋には俺一人のはずなのに、なぜか気味の悪い気配を感じるんだ」

陽介「け、気配?」

鳴上「気のせいだ、寝ぼけてるんだと自分に言い聞かせて寝ようとしたさ」

鳴上「でも、気のせいじゃなかった……」

陽介「余計に寒くなってきたぞ……」


鳴上「何気なしに鏡を見たら、目が、合ったんだ……」

陽介「……」ゴクリ

鳴上「……ベッドの下で、嬉しそうな顔をしていると直斗と」

完二「ぎぃやぁああああああああああああああ!!」

陽介「ば、バカ! 急に大声出すな!!」

鳴上「気がついたら朝だった」

陽介「俺だったら心臓止まって二度とおきねーよ……」

鳴上「次の日、何事もなかったような態度をとる直斗が一番怖かった」

完二「オレ……今後あいつにどんな顔して会えばいいのか分かんねぇよ……」


陽介「でもちょっと待てよ」

鳴上「?」

陽介「おまえの部屋ベッドなかったよな?」

完二「布団の下にいたってことかよ!?」

陽介「そうじゃなくて」

鳴上「……」

陽介「でかい鏡もないだろ」

鳴上「ごめん、盛った」

陽介「そういうのいいから。並み盛りでいいから」

鳴上「面白いと思って」

完二「先輩エンタテイメントしすぎっスよぉ」

鳴上「だろ!?」

陽介「事実を述べろ!! 事実を!!」


鳴上「でも窓の外に視線を感じることは何度かあったんだ」

完二「え、エンタテイメントしすぎっすよぉ」

鳴上「これはマジだ」

陽介「悠の部屋って二階だよな?」

鳴上「ああ」

陽介「視線感じちゃったか」

鳴上「ビンビンだ」

陽介「……盛ったろ」

鳴上「盛ってない!」



陽介「――っと、気がつきゃもう学校か」

鳴上「次はりせの話なんだけど……」

完二「あいつはいーんじゃねっスか?」

鳴上「りせはいいか」

陽介「正直お腹いっぱいだが、聞かないのは聞かないでかわいそうな気がしてきたな……」

鳴上「教室でするような話じゃない」

完二「じゃ昼休みに屋上に集まるってのは?」

陽介「そうすっか。どうせなら最後まで聞きてーし」

鳴上「昼休み、屋上に集合な」

完二「了解っス」

鳴上「女子にバレないようにな!」

完二「うっス」



 ――昼休み 屋上


完二「ちーっス」

陽介「おせーよ」

完二「授業が長引いてしょうがなかったんだよ」

鳴上「……これで揃ったな」

完二「りせの話っスよね」

陽介「こんなこと言うと怒るかもしんねーけど、実は楽しみにしてたんだ」

完二「あ、オレも。怖い物見たさっつーんスか?」

鳴上「俺の身にもなってくれ」



 case4 久慈川りせ


りせ「せんぱーい♪」

鳴上「おい、くっつくなよ」

りせ「恋人同士ならこれぐらい普通だよー」

鳴上「学校だぞ?」

りせ「今昼休み、ここ屋上」

 >何が言いたいのだろう…

りせ「昼休みが終わるまでは二人のラブラブ空間ってこと!」

鳴上「……」


りせ「先輩……」

 >りせが膝の上に乗ってきた!

りせ「ふふ、みなぎってきた?」

鳴上「とくに」

りせ「照れちゃって、かっわい♪」

鳴上「……」

りせ「りせね、先輩にお願いがあるの」

鳴上「お願い?」

りせ「聞いてくれる?」

鳴上「俺に出来ることなら」

りせ「りせ、先輩のウィンナーさんが――」

 〜〜〜



完二「あ? なんでウィンナーが出てくるんスか?」

陽介「おまえ、ウィンナーつったらアレだろ」

鳴上「アレだな」

完二「ワケわかんねーよ」

陽介「完二君はおこちゃまだなぁ」

完二「誰がガキだコラァ!」

陽介「悠、このお子様に教えてやれよ」

鳴上「俺は熱くたぎるウィンナーをりせの口にねじ込んだんだ」

陽介「うっわ、学校で何してんだおまえ……」

鳴上「りせはおいしいおいしいと夢中で頬張っていた」

陽介「……」

完二「……花村先輩?」

陽介「ちげーよ!? 前かがみになってんのは腹が痛いからですよ!?」

鳴上「トイレに行ったほうがいいな」

陽介「違う意味で言ってるだろ、それ!!」


完二「よく分かんねーけど、漏る前に行けよ」

陽介「落ち着け、落ち着くんだ花村陽介……」

完二「ブツブツ何言ってんだ?」

鳴上「陽介も男の子だってことさ」

完二「はぁ」

陽介「クールに……冷静に……」

鳴上「完二はウィンナー好きか?」

完二「大好きっス!」

鳴上「……」

陽介「さんきゅ、おまえのお陰で落ち着いてきたぜ」

完二「は?」


陽介「どうせ弁当のウィンナーってオチだろ」

鳴上「バレたか」

陽介「何度も同じ手にひっかかるかっての」

完二「何が?」

鳴上「話を戻そう」

完二「え?」



 〜〜〜


 >深夜……

 PiPiPiPi!!

 >携帯が鳴っている
   こんな時間にかけてくるのは一人しかいない

鳴上「もしもし」

りせ『先輩? 先輩!』

鳴上「どうしたんだ、こんな夜更けに」

りせ『ご、ごめんね。急に声が聞きたくなっちゃって』

りせ『寝てるかもって思ったけど、我慢できなくてつい……』

鳴上「……」

りせ『怒ってる、よね……』

鳴上「怒ってないさ」

りせ『……ほんと?』

鳴上「ああ」

りせ『先輩!』


 >明け方……

 PiPiPiPi!!

 >メールが届いたようだ
  こんな時間にメールしてくるのは一人しかいない

『いきなりメールしてごめんね! 寝てたらとっても怖い夢見たの…』

『先輩がいなくなっちゃう夢…だから私――』

 >かなりの長文だ…

 >要約すると怖い夢を見て寂しくなったからメールしたらしい

鳴上「ふぁぁ……」

 >面倒だが、早めに返さないとひっきりなしにメールがくる
   とりあえず返信しよう

鳴上「落ち着け、と」

 〜〜〜



鳴上「それからずっとメールしてた」

陽介「そいや一時期目の下にクマ作ってたな」

鳴上「あのときの平均睡眠時間は2〜3時間だ」

完二「きついっスね……」

陽介「授業中も携帯いじってたろ」

鳴上「返すのが少しでも遅れると拗ねるからな。授業中でも気が抜けない」


陽介「まぁ、お疲れさん」

鳴上「……どうも」

完二「しっかし、先輩ってマメっスよね。オレだったら即ブチ切れてるぜ」

陽介「そこが俺らとこいつの違いなんだろーな」

完二「はぁ」

陽介「……あ」

鳴上「どうした?」

陽介「おまえあいつとも仲良かったよな」

鳴上「あいつ?」

完二「誰っスか?」

陽介「あいつだよあいつ! 悠がエビエビ言ってたじゃん」

鳴上「海老原か」

陽介「そう、海老原だ!」


陽介「海老原とは付き合わなかったのか?」

完二「……誰?」

鳴上「同学年の友達」

陽介「隣町までよく買い物に行ってたんだろ」

鳴上「なんで知ってるんだ?」

陽介「噂んなってたぜ」

鳴上「そうか……」

完二「そのエビとは何もなかったんスか?」

鳴上「エビとは――」



 case5 エビ


エビ「アンタさ……好き、でしょ……」

鳴上「は?」


エビ「あ、あたしのこと好きなんでしょ!? かわいそーだから付き合ってあげても――」

鳴上「ごめん」

 〜〜〜



鳴上「何もなかった」

陽介「意外だな」

完二「でもよかったじゃないっスか」

鳴上「その後携帯の番号を変えた」

陽介「うん?」

完二「あー、あったスねー」

陽介「なんで番号変えたんだ?」

鳴上「エビとは何もなかった」

陽介「本当か?」

鳴上「それ以上聞くな!」

陽介「す、すみません……」


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