12/10の日記

12:20
花子「きらいじゃないし」 楓「でいばいでい、なの」3
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……

撫子「どう? 落ち着いた?」ナデナデ

櫻子「は、花子ー? ほんとにごめんねー?」ナデナデ

花子「……もーいい。べつに怒ってないし」グスッ

撫子「よしよし、花子は偉いね」ナデナデ

花子「……それは子供扱いしすぎだし……」ナデラレナデラレ

撫子「そう? とにかく、櫻子がすぐに次のアイディア出すから。もう泣かないでいいよ」

櫻子「えっ私!?」

撫子「……出すよね?」ギロッ

櫻子「ハイよろこんでーッ!」ビシッ

花子「……」グスグス

櫻子「んーと、えーと」ムムム

撫子「……」

花子「……」

櫻子「……」

櫻子「…………」

櫻子「………………」

撫子「」グッ

櫻子「」ビクッ

櫻子「!!」

櫻子「お、お泊まり! お泊まりなんてどうでしょう!?」

撫子「お泊まり?」

櫻子「そう! 楓をうちに呼んで花子とシンボクを深めさせるの。どう?」

撫子「お泊まりか……いいかもね」

櫻子「でしょー!?」フフン

撫子「花子は? お泊まり作戦、どう思う?」

花子「お、お泊まり。緊張するけど……楓とお泊まり、してみたい……かも」

撫子「うん。じゃあ採用ね」

櫻子「やったー!」バンザーイ

撫子「というわけで櫻子」

櫻子「なに? ご褒美!?」ワクワク

撫子「うちから出てってくれる?」

櫻子「」


櫻子「ってなんでじゃー!」ウガー

撫子「だって楓をうちに呼ぶ作戦でしょ?」

櫻子「うん」

撫子「だからだよ」

櫻子「遠回しに邪魔って言ってるよねそれ!?」

花子「櫻子がいるといまいち集中できないし」

櫻子「花子までそんな……」

撫子「……」フム

撫子「櫻子、櫻子」チョイチョイ

櫻子「? なにねーちゃん」ススス


撫子「よく考えてみな」

櫻子「?」

撫子「楓がうちに来たら、お隣には誰が残る?」

櫻子「……」

櫻子「!」ハッッッ

撫子「イメージしろ」キリッ

櫻子「!?」

撫子「ひとり寂しく留守番するひま子を慰める自分の姿を」キリリッ

櫻子「!!?」

櫻子「……」ゴクリ



 〜妄想中☆〜


向日葵「ぐすん。楓にも見捨てられた私は寂しい女。しくしく」

櫻子「向日葵ー! おるかー!」

向日葵「さ、櫻子!?」

櫻子「おるな! きたわ!」

向日葵「まさか……私が寂しい女と化すのを見越して……?」

櫻子「……ここやで、トントン(私の胸に飛び込んでこいというジェスチャー)」

向日葵「ッ……抱いて!!!」

櫻子「はっはっは。はっはっは。はっはっはっはっは」


 〜 終 了 〜



櫻子「し、しかたないなぁ〜……向日葵のやつがあまりにも哀れだからぁ? 当日は私が相手したげよっかな!」デヘヘ

「「おおー」」パチパチ

撫子(バカでよかった)

花子(バカでよかったし)


撫子「よし、じゃあ早速電話してみようか。はい黒電話、ひとりで出来る?」スッ

花子「う、うん……がんばる」ジーコ、ジャッ、ジーコ、ジャッ、ジーコ、ジャッ

 prrrr...prrrr...

花子「……」ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

 prrrr...prrハイ、フルタニデス

花子「!」

花子「も、もしもし。大室ですけど、楓ちゃんいま――あ、ひま姉ちゃん?」

櫻子「!」ピクッ

花子「うん。うん、花子」

花子「ん、久しぶりだし。ひま姉ちゃん、櫻子ばっか構うから」

花子「えー、べっつにー? すねてないもーん……なんちゃって。えへへ」

櫻子「……」ジェラッ

撫子「……」


櫻子「……ちょっと、花子?」ツンツン

花子「ん、なに櫻子? あ、ううん。なんでもないし、気にしないでひま姉ちゃん」

櫻子「……」ジェララッ

花子「え、今度花子にお菓子作ってくれるの?」

櫻子「……」ジェラララッ

花子「ほんとに〜? じゃあ約束しよ、指出してね。せーの、ゆーびきーりげーんまーん……」

櫻子「」ブヂッ

櫻子「」ブンドリッ

花子「……ゆーびきった、って!? ちょっと櫻子!?」

櫻子「やいコラおっぱい大僧正! 花子は楓に用があるんだかんね! か・え・で・に! わかったらさっさと楓を出せこんちくしょー!!!」

櫻子「……はぁ!? キーレーてーまーせーんー! ぜんっぜんキレてねーし! 私キレさせたら大したもんだし!」

櫻子「いいから楓を出せー! かっえっで! かっえっで! かっえっ……あ、保留」


櫻子「まったく、最初っからそうしてりゃいーんだよ向日葵め……無駄に無駄話とかしやがって」フンッ

撫子「……」ジトー

花子「……」ジトー

櫻子「なっ、なんだよその目?」

撫子「べつに」

花子「べつに」

櫻子「く、くぅう〜〜〜っ……見んじゃねーーーーーーーっ!!!」ダット

撫子「逃げた」

花子「逃げたし」

撫子「……とりあえず電話、まだつながってるから」ホイ

花子「あ、ぅ、うん……」ドキドキ

 ♪〜♪ ♪〜♪ ♪モシモシ

花子「!」

花子「も……もしもし楓? は、花子だけどっ」

撫子「……」ナマアタタカイマナザシ



 〜1分後〜


花子「はぁあっ!? べっ、べつに花子ぉ、楓のことなんて好きでもなんでもないしぃー!? いっしょに遊びたいとかこれっっっぽっちも思ってないしぃー!? かんちがいしないでほしーし! ば、ばーかばーか!」ガチャンッ!

撫子「」



 〜30秒後〜


花子「……あ、楓? 花子。うん……さっきはごめんね? あれ、全部うそだから。うん。あのね……次の金曜日、うちに泊まりにこない? うん、いっぱい遊ぼ? うん。じゃ、待ってる。ありがと楓。うん。ばいばい、……おやすみ」ガチャン

撫子「」ウム

花子「」グスン




 〜金曜・夕方〜


 ガチャッ

楓「ごめんくださーい」

 バタンッ! ドタドタドタドタドタ...

花子「か、楓っ!」キキーッ

楓「あ、花子ちゃん♪ こんばんはなの」ペコッ

花子「こ、こここ、こけっ、こ、こばっ、こばばばばわばばわわわわ」ガクガクガクガク

撫子「壊れかけのレディオか」ペシッ

花子「あたっ」

楓「撫子お姉ちゃん、こんばんは。今日はおまねきいただいて、ありがとうございます、なのっ」ペコリ

撫子「うん。楓は礼儀正しいね、えらいえらい」ナデナデ

楓「えへへ〜」ナデラレナデラレ

花子(か、かわいいし……)ドキドキ



櫻子「おー楓ー」ヨッ

楓「櫻子お姉ちゃんもこんばんはなの」

櫻子「うっす。んじゃ」シュタッ

楓「えっ?」

櫻子「いってきまーす」ガチャッ

撫子「あー、行ってらっしゃい」フリフリ

 バタン

楓「……撫子お姉ちゃん? 櫻子お姉ちゃんはどこに行ったの?」

撫子「楓の家だよ」

楓「えっ?」

撫子「じゃ、すぐ晩ご飯出来るから。ゆっくりしててね」スタスタ

楓「えっ? ……えっ?」

花子(混乱してる楓もかわいいし……)キュンキュン



 〜リビング〜


花子「か、か、楓。はい、ジュース……」オソルオソル

楓「ありがとー♪」

花子「……」ドキドキ

楓「〜♪」クピクピ

花子(……どどど、どうしよう……)ブルブル

花子(今日まで、いっぱいいっぱい考えたけど……)

花子(楓がよろこびそうなこと、いっぱい)

花子(けど)

花子「……」

楓「ぷは。オレンジジュースおいしいの♪」

花子「……あ、あっそ!」ツンッ

花子(ぜんぜん思いつかなかったしー!)ア゛ー



 〜食卓〜


 パクパク モグモグ

楓「わぁ……花子ちゃん、これすっごくおいしいの!」

花子「っ……ふ、ふぅん。よかったね」ツーンケーン

楓「うん♪ これ、撫子お姉ちゃんが作ったの?」

花子「ッ!」ギラリ

撫子「え? ああ、これは……」

花子「」バチッバチバチッバチコーンッ

撫子(ヘタなアイコンタクトだなぁ……)

楓「?」

撫子「……これはね、花子が作ったんだよ」

楓「花子ちゃんが!? すごいの、ほんとに!?」

花子「え? ま、ままま、まあ、ねっ?」エヘン

撫子(私がかなり手伝ったけどね)


楓「じゃあこっちのサラダは?」

花子「そ、それも花子が作ったし」

楓「そうなんだぁ。シャキシャキしてておいしいの、花子ちゃん!」

花子「」フフン

楓「じゃあじゃあ、このスープは?」

花子「もちろん花子だし。ちょろいもんだし」

楓「わあぁ……むずかしそうなのに、すごいの!」

花子「」フッフン

楓「もぐもぐ……うん、どれも本当においしいの! 花子ちゃん、お料理上手なんだねっ」ソンケイノマナザシ

花子「」フッフッフーン

撫子(あぁ……どんどん鼻が高々と……)ハラハラ

楓「楓もこんなお料理作ってみたいなぁ……あ、そうだ、今度花子ちゃんに教えてほしいの!」

花子「」


楓「? 花子ちゃん、どうかしたの?」キョトン

花子「ぇ、あ、いや、ぅ、え、っと……料理?」

楓「うんっ。ないしょでお料理上手になって、おねえちゃんをビックリさせたいの♪」エヘー

花子「ふ、ふーん! ふぅーん……」

撫子「……」

花子「……」

撫子(どうするつもりだろ……)

花子「……」チラッ

撫子「……」

花子「(どうしよう姉ちゃん!?!?!?!?!?!?)」チラッッッッッッッッッッッッ

撫子「丸投げ!?」ガタッ

楓「!?」ビクッ


撫子「あ……」

楓「び、ビックリしたの……どうしたの、撫子お姉ちゃん?」ドキドキ

撫子「ご、ごめん。今のは忘れて?」

楓「う、うん……」

撫子「……」

花子「……」

楓「……花子ちゃん、お料理……」

花子「!」チラッッッ

撫子「か、楓!」

楓「え?」

撫子「えっと……料理だけどね。花子と楓だけで刃物や火を扱わせるのは危ないから、私がいる時でいい?」

楓「あ、そっかぁ……そうだよね、あぶないもんね。わかったのっ」コクコクッ

花子「(姉ちゃあん!)」ウルウル

撫子(まったく、世話の焼ける……)ヤレヤレ


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