12/08の日記

12:15
花子「きらいじゃないし」 楓「でいばいでい、なの」
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 〜大室家〜


花子「櫻子ー」


櫻子「んぁ?」グダー

花子「今ちょっといい?」

櫻子「いーけど。どした?」

花子「相談があるし」

櫻子「相談?」

花子「」コクン

櫻子「花子が?」

花子「」コクン

櫻子「私に?」

花子「」コクン

櫻子「どれどれ……」ペタリ

花子「熱とかないし」



櫻子「えっ……熱もないのに私に相談にきたの?」ギョッ

花子「……自分で言ってて悲しくなんない?」

櫻子「チョットネ」テヘペロ

花子「じゃあ言わなきゃいいのに……」

櫻子「まーまーそれは置いといて。で、本当に私でいいの?」

花子「どういう意味?」

櫻子「いやほら、普通はまずねーちゃんのとこ行かない? あ、実はもう行ってきた?」

花子「行ってない。櫻子が最初だし」

櫻子「ほほう? 花子がねーちゃんより私を頼るってことは……」フム

花子「……」

櫻子「ひょっとして恋愛相談!? なーんちゃっ」

花子「……」コクリ

櫻子「マジかよ……」ゴクリ

花子「……」カァァ

櫻子「え、ちょ、なに? ほんとに、マジで好きな人いるの花子?」

花子「………………」コクッ

櫻子「わーマジかー! 誰誰!?」

花子「ぐっ……い、言いたくないし!」プイッ

櫻子「言わなきゃ相談にならないじゃん」

花子「じゃ、じゃあ相談やめるっ! 櫻子に相談しようとした私がバカだったし!」

櫻子「えー!? いいじゃん教えてよー! ね、おねがいっ!」

花子「ぜっっっっったいに、や!」ツーン

櫻子「おのれー頑固な……あ、だったらヒントちょーだいヒント! 私が当てるから!」

花子「いつの間にかクイズみたいになってるし……」



櫻子「じゃーまずヒントその1から!」

花子「その1!?」

櫻子「その1」ウン

花子「な、何個もヒント出してたらいくら櫻子でもわかっちゃうし!」

櫻子「えー。でも、いきなり名前言うよりは恥ずかしくなくない?」

花子「うっ……そ、それは……たしかにそうかも……」グヌッ

櫻子「でしょー」

花子「……櫻子のくせに生意気だし……」グヌヌ

櫻子「どういう意味だ」



花子「じゃ、じゃあ……ヒントその1」

櫻子「」ワクワク

花子「……『年下』……」

櫻子「ヒューッ!」ドンドンパフパフ

花子「は、はしゃいでんじゃねーし!」

櫻子「そっかー、花子は年下趣味だったのかー」ホムホム

花子「しゅ、趣味とかじゃ……たまたま、その、アレ、が……花子より年下だっただけだし」

櫻子「アレって?」

花子「……言いたくないし」

櫻子「ああ、好きになった人が?」

花子「言ってんじゃねーし!」カァ

櫻子「次はヒントその2ね! おねがいしまーす!」

花子「……」ムスッ

櫻子「おねがいしまーす!」

花子「…………『かわいい』」

櫻子「え?」

花子「『かわいい』」

櫻子「……なにそれヒント?」

花子「ヒントだし」

櫻子「……」

花子「……」

櫻子「……だ、ダメだよ花子……私たち、姉妹なんだよ……?」イヤン

花子「寝言は寝てから言ってほしいし」



櫻子「続いてヒントその3!」

花子「えー、まだやるの……?」

櫻子「やるの。ていうか今までのヒントじゃ全然わかんないし!」

花子「それは櫻子がバカなだけだし」

櫻子「なんだと」ガタッ

花子「座れし」

櫻子「はい」ストン

花子「……」

櫻子「……」

花子「……ヒント、その3は……」

櫻子「うんうん」ソワソワ

花子「――」


花子「お、『お隣さん』……だし」


櫻子「え」

花子「〜っ!」カァァ

櫻子「それって……」

花子「……」フイッ

櫻子「家が、隣……って、こと?」

花子「……」コクン

櫻子「!!」

花子「……」モジモジ

櫻子「――!」

花子「……?」チラッ

櫻子「だ……だめっ!」

花子「えっ!?」


櫻子「だめだめだめ、それはだめ!」

花子「ちょ、なんで!?」

櫻子「なんでもなにもない! だめったらだめなの!」ガー

花子「いや、そんなの絶対おかしいし! どうして櫻子が決めるの?」

櫻子「ど、どうしてって……だって……」

花子「……」

櫻子「……だって、花子が……花子、も、そうだ……なんて、知らなかったし……」ゴニョゴニョ

花子「え……?」

櫻子「だいたい、それなら私が先ってゆーか……私の方がもっと、ってゆーか……」モニョモニョ

花子「!?」

櫻子「と、とにかくだめ! 諦めた方が花子の為だって!」

花子「もしかして……さ、櫻子も……!?」

櫻子「向日葵なんて!」

花子「えっ」

櫻子「だ、だいたい向日葵なんかのどこが良いわけ!?」

櫻子「向日葵なんて、向日葵なんて……えーっと、ほら、なんだ……」

櫻子「そう、おっぱい! おっぱいおっきいだけじゃん! おっぱい大納言じゃん!」

櫻子「あ、いやまあ、それだけじゃあない、けどさ……」

櫻子「でもでも! だけじゃなくたって他もせいぜい……ううんと……」

櫻子「……料理が上手だったり」

櫻子「いっつもお菓子作ってくれたり……」

櫻子「あと、優しかったり……あ、それとかわいい」

櫻子「……」

櫻子「そんぐらいだよ!?」

花子「櫻子はぜいたく言いすぎだと思うし」


櫻子「あとあとえっと……!」

花子「もういいし!」

櫻子「えっ?」

花子「ていうかひま姉ちゃんのことじゃないし!」

櫻子「ええっ!?」

花子「櫻子、ヒントその1ってなんだったか覚えてないの……?」

櫻子「え、うん」

花子「覚えてないの!?」

櫻子「へへっ」テレッ

花子「はにかむなし!」

櫻子「花子は難しい言葉知ってるなー」

花子「今そういう話してないし! ああもうっ……『年下』! ヒントその1は『年下』だったでしょ!?」

櫻子「……あっ!?」

花子「こいつ、本気で忘れてたし……」

櫻子「そっか、じゃあ向日葵は違うのか……そっかぁ」ニヘ

花子「……」

櫻子「え、ちょっと待って。じゃあ花子の好きな人って……」

花子「!」ギクッ

櫻子「……誰……?」

花子「」ズコー

櫻子「えー、ぜんぜんわかんない。向日葵じゃないなら完全ノーヒントじゃん……」

花子「……」

櫻子「もっかいおさらいしよ。えっと、『年下』で『かわいい』、そんで『お隣さん』……」

花子「……」

櫻子「!」ピーン

花子「!」ドキッ

櫻子「だ……だめだよ花子! それはだめ!」

花子「え、また!? なんで!?」

櫻子「だって、だって……!」ワナワナ



櫻子「ケダモノ相手なんて絶対ダメだよ!!!」

花子「か、楓はケダモノなんかじゃないし!!!」


「「………………」」


櫻子「えっ」

花子「あっ」


櫻子「……」

花子「……」

櫻子「……楓?」

花子「ぅ……」

櫻子「……」

花子「……」

櫻子「向日葵んちとは逆隣に住んでる木村さんとこのエリザベスちゃん(5歳・犬)じゃなく?」

花子「どうしてそうなったし」



櫻子「え、じゃあ本当に楓が?」

花子「……っ」

櫻子「花子ー?」

花子「っ……だ、だったら!」

櫻子「へ?」

花子「だったらなに!? 悪い!? 楓のことが好きだったら悪いんですかぁ!?」

櫻子「いきなりキレた!?」

花子「だって楓かわいいんだもん! かわいいのが悪いんだもん! 花子は悪くないし! 悪くないもん!」

櫻子「ちょ、どうどうどう……」

花子「あああ楓かわいい! 超かわいい!! ぎゅーってしてなでなでしたいし!!」

櫻子「花子さん!? 花子さーん!?」

花子「ふしゃー!!」

櫻子「威嚇!?」


……


花子「」ゼェゼェ

櫻子「落ち着いた?」ハァハァ

花子「……ぅん」ゼェゼェ

櫻子「そりゃーよかった……」ハァハァ

花子「〜〜〜っ」カァァ

櫻子「ほれ、牛乳」

花子「ぁ……ありがと」

櫻子「……」フーム

櫻子「ねー花子」

花子「?」クピクピ

櫻子「楓に告白しないの?」

花子「プフォー!?」ブバァッ

櫻子「ばっちい!!!」


花子「ぅ゛、ご、ごぐばぐ!?」

櫻子「え、なんて?」

花子「〜っ……げほごほけほけほっ……告白!?」

櫻子「告白」ウン

花子「し、しないし! 出来るわけないし!!」ワタワタ

櫻子「さっきみたいに言えばいいじゃん?」

花子「それが言えたら苦労はしないし!!」

櫻子「もっと素直になれよ!」キリッ

花子「櫻子だけには言われたくないし!!!!!!!!!!」


ガチャッ


撫子「花子ー、お風呂あがったから入っちゃって。どうせ櫻子はまだ……ん?」



花子「完全にキマった裸締めは絶対に逃げられないし……ッ!」ギチギチギチ

櫻子「ギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブ」テシテシ



撫子「……」

撫子「なにこれ」


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