12/09の日記

12:17
花子「きらいじゃないし」 楓「でいばいでい、なの」2
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……

撫子「ふぅん、花子が楓をね……」

櫻子「そーなんだよー」

花子「ぅぅぅ……家族に恋バナとか、恥ずかしすぎだし……」カァァ

撫子「で、告白しないの?」

花子「姉ちゃんまで!? し、しないしっ、絶対しないもん!」

櫻子「この意地っ張りめ!」

花子「だから櫻子にだけは言われたくないし!」ムキー

撫子「……」フム

撫子「花子、花子」チョイチョイ

花子「? なに姉ちゃん」ススス


撫子「花子さあ、楓が好きっていうのは認めるんだよね?」ヒソヒソ

花子「うっ!?」ドキッ

撫子「どうなの?」

花子「……ぅん……」コクン

撫子「うん。じゃあ今度はあんたの姉を見てみて」

花子「あね」ジッ

櫻子「いや私じゃなくて。もうひとりいるでしょ、姉」

花子「?」キョトン

櫻子「え……存在すら?」

花子「……あ、櫻子か。櫻子櫻子。櫻子を、見る……」ジー

撫子「……」ジー

櫻子「?」

撫子「バカでしょ?」コソッ

花子「バカだし」コソッ

櫻子「???」



撫子「で、そのバカがひま子と何年ケンカしてるか……花子も知ってるよね」

花子「!」ハッ

撫子「それもこれも、お互いに変な意地を張り合ってるせい」

撫子「本当は両想いのくせに気づかないフリして」

撫子「気がつけば後戻り出来ない状況に」

花子「……」

撫子「イメージしろ」キリッ

花子「!?」

撫子「今から数年後、あのふたりみたいになった自分と楓の姿を」キリリッ

花子「!!?」

花子「……」ゴクリ



 〜妄想中☆〜


花子「楓! 年下のくせにいつもいつも生意気だし!」

楓「ごめんなさいなの花子ちゃん。楓おっぱいおっきいから、おっぱいちっさい人の気持ちがわからないの」ボヨヨン

花子「むがーっ! おっぱい禁止だし!」ワシィ

楓「ちょ、貧乳が感染るから触らないで欲しいの!」

花子「感染らねーし! もーいい、楓なんて嫌いだし!」

楓「それはこっちのセリフなの。花子ちゃんなんて大嫌いっ!」

「「ぐぬぬぬぬぬぬぬ……」」

「「ふんっっっ!」」プイッ


 〜 終 了 〜



花子「姉ちゃん! 櫻子! 花子、楓に自分の気持ちをぶつけてみるし!」キリッッッ

「「おおー」」パチパチ

櫻子(やっぱり私に似て賢い妹だ!)

撫子(櫻子に似ず賢い妹で良かった)

花子「」フンス



 〜翌日〜


撫子「ではこれより、作戦会議をはじめます」

櫻子「わーわー」パチパチ

花子「……ゎーゎー」チパチパ

撫子「司会は私、大室撫子が務めます。では、意見があれば挙手をしてください」

櫻子「はい!」シュタッ

撫子「……」

櫻子「はいはい、はーいっ!」ググッ

撫子「……」

櫻子「……」グググッ

撫子「誰か意見はありませんか?」

櫻子「はいっつってんだろ!!!」ウガー


撫子「……じゃあ、櫻子」

櫻子「やったあ!」

撫子「ふざけたこと言ったら次からは当てないからね」

櫻子「言う前からやりづらくしないでよ!?」

撫子「いいから早く」

櫻子「くぅ……作戦その1! 好きな人の心を掴むには料理が一番!」バーン

花子「料理?」

櫻子「そ。誰でも美味しい料理を食べたら一発で好きになっちゃうって! 私が保証する!」

撫子「ああ、自分のことか……」ボソッ

花子「でも櫻子にしてはまともっぽいし!」

撫子「……確かに……」

櫻子「フフン、そうだろう! だから花子!」

花子「なに?」

櫻子「お前の料理修行のために今日の料理当番を変わってやろう!」エッヘン

撫子「前言撤回」スッ



櫻子「なぐられた……」サスサス

花子「もうちょっとマジメに考えてほしいし」プンプン

撫子「料理は今後ゆっくり練習するとして。他に何かない?」

櫻子「じゃーあれだよ、ラブレターでも書いちゃえよ」ヘッ

花子「言ってるそばから投げやりだし!?」

撫子「……ラブレターか」フム

花子「姉ちゃん?」

撫子「意外とアリかもね。楓はまだ小さいし、ハッキリ分かりやすく伝えた方がいいよ」

花子「ま、まじ?」アセッ

撫子「まじ。どっかの誰かさんみたいにいつまでも進展がないよりは……ね」チラ

花子「……」チラ

櫻子「誰かさん、って……誰? ねーちゃんの友達?」ハテー

撫子「……」ハァ

花子「……」ハァ

櫻子「え? え?」キョロキョロ


撫子「というわけだから花子、頑張ってラブレター書いてみようか」

花子「え、えぇ……?」モジモジ

撫子「照れない照れない。あんたの為だし、楓の為でもあるんだから」

花子「ぅー……うん」

撫子「ん。じゃあ今日はここまでね。続きは花子がラブレター書き次第ってことで」

花子「わ、わかった」グッ

櫻子「え、パパッと書いて今すぐ持っていこうよ?」

撫子「……」

花子「……」

櫻子「なんなら私が持ってってやろうか!」フンス

撫子「……じゃ、解散」スタスタ

花子「……」スタスタ

櫻子「あれっ!? ふたりとも私の話きいてた!? ちょっとー!」オイッオイッ



 〜数日後〜


花子「さ、櫻子。櫻子」カムカム

櫻子「ん? なにー」トテトテ

花子「……こ、これ……」スッ

櫻子「なにこれ」

花子「ら、らぶれたー、だし」

櫻子「えっ!? ラブレター!?」

花子「……っ」コクン

櫻子「……」

花子「……」

櫻子「……花子、私のことが好きだったの!?」

撫子「」ゴチーン

櫻子「」グヘー


撫子「まったくこの愚妹は……」ヤレヤレ

櫻子「なにすんのー!? 痛いじゃん!」プンプン

撫子「いや……あんたこそなに言ってんの」

櫻子「はあ? なにが!」

撫子「……ラブレター」

櫻子「……?」

撫子「花子が。楓に」

櫻子「……!」

撫子「あんたは。それを。渡す」

櫻子「………………」

櫻子「あっ」


撫子「何か言うことは?」

櫻子「さ、さーせんっした……」ペコリ

撫子「よろしい。花子?」

花子「ん……櫻子、ちゃんと渡してよね?」スッ

櫻子「おっけーおっけー。この櫻子様に任せなさーい!」

撫子(不安だ……)

花子(不安だし……)

櫻子「おいお前ら今思ったこと言ってみろ」

撫子「不安だ」

花子「不安だし」

櫻子「ほんとに言うなよぅ!?」



 〜夕方〜


櫻子「た、ただいまー……」ガチャッ

ドタドタドタドタ

花子「お、おかえりっ!」

撫子「どうだった? ラブレター作戦」

櫻子「あー、うん……うん」

花子「?」

撫子「……もしかして櫻子、なんかやらかした?」

櫻子「ぎくー!」

花子「ギクって言った!? 櫻子いまギクって言ったし!」

櫻子「……」ダラダラダラダラ

撫子「櫻子。説明」

櫻子「じ、実は……」


櫻子「今朝、家を出てすぐ向日葵に会って」

櫻子「その時『あ、向日葵に預けちゃえば楽チンじゃね?』って思って渡したんだけど」

櫻子「あのおっぱい、なにを思ったか急に慌てだして」

櫻子「本当は私から言うつもりだったのに、とか。こんなの不意打ちですわ、とか」

櫻子「んで、しまいにゃフツツカモノデスガーとか言い出したから」

櫻子「それどういう意味? って訊いたの」

櫻子「そしたらね、あのね、向日葵がね……」

向日葵『え、これ、櫻子から私へのラブレターじゃありませんの!?』

櫻子「……なんて言うもんだから、頭の中が真っ白になっちゃって、そんで……」

花子「……」

撫子「……そんで?」

櫻子「破いちゃった☆」テヘペロ

花子「」

撫子「櫻子……あんた……」ジトォォォッ

櫻子「ご、ごめん花子っ! 許して?」ネッ

花子「……」

櫻子「?」

撫子「……花子?」

花子「」ジワッ

「「!!!」」

花子「らぶれたー……はなこが、いっしょうけんめいかいた、らぶれたー……っ」ポロポロ

櫻子「うぇえっ!? ちょ、ま、え、花子!?」ワタワタ

撫子「さ、櫻子土下座っ! 大至急!」アセアセッ

櫻子「押忍! は、花子さんマジすんませんっしたあああああああっ!!!」ゲザァ

花子「うぅぅ……」プルプルプル


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