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□君と、またひとつ。 (11/17)
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同窓会のあの日。
卒業してから17年以上が経つというのに変わらない仲間と変わらない時間を過ごした。
あの頃とは何もかもが違っているはずなのに
あの場所には、魔法がかかっているのかもしれないと思ったほど。
昼休みの度にネタをやっていた時
養成所に通い始めた時期
卒業してお互い別々の仕事に就いた時
脱サラして漫才師になった時…
遠回りと挫折、時や状況に形を変えながらも
俺は同じ夢を見続けてきた。
いや、見続けることが出来た。
彼が隣に居てくれたから。
漫才師は自分で自分を救えない、
誰より幸福な職業だ。
拡い舞台に一人だけ。
俺を救うことが出来るのは岡田だけ。
過去も、現在も、未来も。
『戻れるなら、いつに戻りたいですか』
いつまでも過去を引っ張っているのは、俺だけ。
隣に立つ彼はいつも前だけを見ているから。
だけどきっと何度過去に戻っても
俺は同じ選択をするだろう。
(君と またひとつ、 夢の続きを見たいから)
---end.