熔けない薔薇

□第1章
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太陽が昇り、白きレースのカーテンに光が溢れる頃、
小さくて狭い部屋に置かれていた布団からモゾモゾと時計に手を伸ばす少女がいた。
 その少女は紫がかった髪を手でぐしでとかしながら時刻を見て、
驚いた顔して起きた。
 顔を洗い、引き出しから服を出して着替えていた。
 それは青いシンプルなデザインのチュニックに白いシャツワンピ、膝丈までしかな
いデニム生地のズボンをはき、ロールパンをくわえながら布団をたたんだ。
 白い大きなゴミ袋を持って、ベージュのリボンのついたサンダルを履いてその部屋
から出た。
 鍵を閉め、アパート前にあるごみ置き場にゴミをおくとそこからまっすぐに、歩き
始めた。
 その間、少女は無表情だった。
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