happy birthday to severus!






ジェームズとルシウスとダンブルドアとセブルスではぴば!



―――――――――

今日は朝から最悪だ。

目が覚めた、その瞬間に色とりどりの花びらが飛び込んできた。おかげでベッドは今も花びらに埋め尽くされている。女の子なら喜ぶかもしれないがあいにく僕は男だ。朝から花びらの強い香りに頭がくらくらする。

それでもなんとか着替えを済ませ食堂に出ていくと今度はにっくたらしいあのジェームズ・ポッターだ。
相変わらずニヤニヤしている。なんだ、どうした、気持ち悪い。
会話をするとつけあがるから話しかけないし、目線もやらない。
くそ、ついてくるな!みんな見ているだろう。気づけ馬鹿!

「セーブールース!」

遂に話しかけてきた!
早足で自分の席に行くとまだついてくる。今日はいったいどうしたというんだ。こいつを止めるルーピンとかブラックとかは居ないのか?

「あ、君、ちょっとどいて」

なんで隣に座ってんだよ!
お前の席はあっちだ!グリフィンドールだ!馬鹿か?馬鹿なのか?馬鹿なんだよな!
しかもどうして席を譲るんだそこの一年!まあ、上級生に言われたら仕方ないか。というかこいつの目がおかしいくらい怖かったもんな。しょうがないしょうがない。うん、しょうがない、よね?

「セブ、おはよう」
「!」

聞こえてきた美しい声に顔を上げるとそこには麗しの先輩がいた。白銀の滑らかな長髪は今は結われておらず、肩からさらりと流れていく。本当にきれいな人だ。イメージは王子様。しかも自分にも優しくしてくれる。いつだって優しく僕の名前を呼んでくれるのだ。その度に僕は犬みたいに先輩に駆け寄ってしまう。先輩のレポートを代わりにやった後なんかは特別優しくて頭を撫でてくれる。恥ずかしいけど嬉しくて、だから余計に頑張ってしまう。

「ルシウス!おはようございます」
「うん、それより」
「はい?」
「それ、どうしたの?」
「え?」

ルシウスが指差した先には、うん、ポッターがいますよね。
何故か苛立ったようにルシウスを睨んでいる。さっきまであんなにニヤニヤしていたのに。

「こんなやつ気にしないでください。頭が可哀想なだけです。それよりルス、今日は…」

じゃま!
ポッターは後ろからのしかかってきた。なんて重たいやつだ。振り払おうとしてもぎゃくに強くなる。くそ、気にしたら負けだ。

「ポッター、セブから離れてくれない?」
「ヤです」
「離れろ、ってルスも言ってるだろ!離れろ」
「うっさいセブルス」
「な!」

お前からくっついてきといてなんて言い方だ。むかつく。

「まあいいや。セブ、ハッピーバースデー」
「え?」
「ああぁ!!言った!僕が言うつもりだったのに!」
「ふふふ、早い者勝ちだよね」
「くっそやろー」

ハッピーバースデー?
あ、そういえば今日は誕生日、だっけ。

「一緒にホグズミードに行ったらなんでも買ってあげるよ」
「そんな、ルスが一緒に居てくれたらそれだけで嬉しいです!」
「嬉しいなあ」

ルスが笑う。それだけでいい。幸せになる。後ろにいるポッターの存在を忘れるほど心がほんわかした。
なのに。
ぎゅむ、とポッターの指が僕の頬をつねった。

「なんだ馬鹿!痛いから、話せ」
「セブルスは僕だけ見てればいいの」
「はあ?誰がお前なんか見てるか。視界にもいれたくない」
「ひっどー!せっかくセブルスにプレゼントもってきたのに」
「どうせろくでもない物だろ」
「そんなこと言ってるとこれあげないよー」
「ふあああああ!!」

ポッターがどこからか取り出した本は僕がずっと欲しがっていた魔術書だ。思わずその本に飛びついてしまう。

「欲しい?」
「欲しい!」
「いいよ、あげる」
「本当か?わぁ!ありがとう!嬉しい」
「うへへ…、セブルスが喜んでくれたなら嬉しいよ」

笑い方が気持ち悪かったが気にしない。

「セブ、そんな本捨てた方がいいよ。呪われてる」
「でも…」
「買ってあげるから」
「ぇ、」
「先輩、止めてくれます?」

どうしたのだ。2人の間に火花が見える。
まあ、今はこの本があるから何でもいい。早く読みたい。うん、読みたいな。

「ルス、ごめんなさい。用事が出来たので失礼します」
「えっ?」
「ちょ、セブルス!」

すみません、先輩。はやく本を読みたいです。
ということで図書室に駆け出す。朝食ぐらい食べなくても全然平気だ。

食堂から飛び出した僕は誰かにぶつかった。勢いがよすぎて転んでしまう。

「あ、すみませ…」
「おや、セブルス。どうしたのじゃ?」
「げっ」

ダンブルドア!
変態くそじじいの校長が僕の道をふさいでいた。果てしなく邪魔だ。

「今日はセブルスの誕生日なんじゃろ?どうじゃ、今日は一緒に」
「嫌です!」

ダンブルドアの言葉を遮って僕はもう一度走り出した。後ろから不吉な笑い声が聞こえる。
なんでダンブルドアが僕の誕生日を知っていたんだ!鳥肌がたちそうなほど気色悪い。

図書室に駆けながら、なるほど朝の花びらもあいつの仕業だったかと思っていた。
うう、気持ち悪い!
木っ端みじんに燃やしつくしてやると決意した。






――――――――
なんだこれ!




とりあえずセブルスハッピーバースデー!



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