Harry Potter

□寄り道はキミのとなり
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外は6月だと改めて認識させるような梅雨。
やむことがないのだろうか、それほどまでに雲は厚く空を覆う。

こんな日が、セブルスは嫌いだった。

暗い日は好きだが、雨は本が湿気るし、何より濡れることが嫌だ。
だからセブルスはいつもに増して機嫌を悪くしていた。
はしゃぐ声が堪らなく不快感を与える。
いつもなら聞き流せるような言葉すら消滅させてやりたい。

セブルスは気持ちを落ち着かせようと放課後の教室を立った。



図書室は先生がいないのか、明かりがついていない。
そっとドアにちからを入れると、鍵はかかってはいなかった。
救われたような気持ちになって、軽い足取りで中に入る。
整備の行き届いてない奥の本棚の、横にある椅子に座って窓の外を見つめた。
雨は止まない。
運動部はすでに活動をおえ、帰宅している。濡れたグラウンドを歩くのは補習を受けた生徒か、はたまた文化部か。
みな早く帰ろうと足を動かす。
セブルスのように好んで学校に残るものは少ない。

雨の日も晴れの日も嫌いだが、『家』はそれより嫌いだった。
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