hope to leads a person.
□ただ一つの希望
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「その、辰さん?ってどこにいるんスか?」
「この屋敷の地下に居る」
「じゃぁ、早く砂夜を治してよ!」
「それが出来んからこうやってお前さんを連れて来たんじゃろ」
「なんで出来ないんですか!兄弟なんでしょ?!」
越前は、仁王に掴みかかるが仁王は怯む事なく険しい顔をして越前を見た
「普段の辰なら、王妃に殺されようと砂夜の下に行ってとっくの昔に治しとる」
「じゃぁ、なんで…」
「記憶がないんじゃよ
この城を抜け出す前の記憶が」
「え…?」
「記憶がないって、どうして…」
「わからん。俺達が辰と会った時にはもう記憶がなかったんじゃ」
仁王は、悔しそうに歯を食いしばり拳を強く握った
「仁王。辰と会った時の状況を詳しく説明してくれへんか?」
白石は、真剣な顔で仁王を見つめた
それを見た越前は、掴んでいた仁王の胸倉を離して大人しく座った
切原も、辰の事は知らないが仁王が話し出すのを待った
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