仁王短編

□好きと、好き
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今日は、通い馴れたこの場所とお別れする日。

立海大附属中学の卒業式。

私は、今年の4月に高校生になる。



「もう卒業か…。早いなぁ…」
「そうじゃのう。ま、うちはエスカレーター式じゃき高校上がってもほとんどの奴は顔見知りじゃろ」
「そうだね」

まだ花が咲いていない桜の木を見上げながら中学の3年間を振り返っていると、幼なじみであるマサくんが気だるそうに隣に並んで桜の木を見上げる

マサくんは、切れ長の三白眼に透き通った白銀の髪で後ろ髪が尻尾のようになっている
本名は、仁王雅治
身なりもそうだけど、立海大のテニス部レギュラーなため校内では知らない人は多分いない
レギュラーって言っても、卒業だから元レギュラーだけれど


「テニス部の人達の所に行かなくていいの?」
「んー…。面倒じゃが後でぐちぐち言われるんは嫌じゃき、行ってくるわ」
「いってらっしゃい」

テニス部の元レギュラー達が集まっている方に、マサくんは私にヒラヒラと手を振ってのんびりと歩いていったため、私は笑顔で見送った





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