仁王短編

□器用で不器用
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あぁ〜…、詰まらん

詰まらん詰まらん詰まらん詰まらん詰まらん

…暇じゃ

アイツと別れてから暇でしょうがない

暇っちゅーか、こう…心に穴が空いたようなそんな感じじゃ


けど、自業自得じゃな


この、雲一つない青々として俺を嘲笑うかのように見下す空が憎らしいぜよ





『もう知らない!…浮気してやる』
『…浮気したい程俺が嫌なら、言えば別れたるき』

『結局、すぐ別れる程軽い気持ちだったんだ…もういい、別れよう』
『…そうしたいならよかよ』

『…さよなら』
『…………』




別れた時の映像が頭に流れた

アイツは苦しそうに悲しい表情で俺を見とった
俺はそんなアイツを無表情で見返して、背中を向けるアイツに呼び止めたりもせず、ただ後ろ姿を見とるだけじゃった


何がいけなかったんじゃ?

俺は、アイツにありったけの愛を注いだ

俺なりの愛情表現で、たくさん愛したつもりじゃ


けど、足らんかったんか?





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