hope to leads a person.

□覚醒
1ページ/6ページ

++




「辰を此処へ連れて来なさい!」
「辰様は、まだ疲労で眠っておられます」
「凌、お前は私に楯突こうと言うのか?」
「いえ、そのような事は決してありません。ただ、辰様はまだ幼く目の前でご両親を亡くされたのです。精神的にも疲労はかなりあるかと…」

「そんな事は関係ない!一刻も早く此処へ連れて来るのだ!」

凌の言葉を聞き入れようともせず、王妃は凌に怒鳴った

凌は、一礼をしてその場を出て行くと眠っていた辰を起こして王と王妃達の前へ連れて着た


「醜い…」

王妃は、辰の顔を見るなり顔を歪ませ汚らわしいと言わんばかりに辰に視線を向ける


「お前は此処に居てはいけない。表に出てはいけない存在」
「どうして…ですか?」

「光族の血は必要ない。お前は生きて居てはいけない存在なのだよ」

「っ?!王妃!それは子供である辰様に対して、あまりに酷いお言葉ですっ!」
「凌、黙りなさい」
「っ…」

王妃の辰への言葉を聞き凌は王妃に反論したが、全く気にも留めていない王妃の表情を見て言葉を失った

仮にも、血の繋がった孫である辰に"生きて居てはいけない存在"と言った言葉を、まるで汚いモノを見るかのような視線で辰を見ながら吐いたのだ
凌には、その事が理解できなかった






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ