hope to leads a person.

□ただ一つの希望
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「出せ!此処から出せ!」


ブォオォォ―…




「雅治さんも酷な事しはりますね」
「それだけ大切なんだよ」
「なんや、起きてたんスか?慈郎さん」
「あんな姿見て寝れるわけないっしょ」


風殿の地下にある広い一室で、結界を這っている中に金髪で青灰の色をした瞳を持つ男が暴れている

その男を、結界の外から見ているのは風族時期長の仁王の護衛であり同じ年の"芥川慈郎"と、一つ下の"財前光"だ



「此処に連れて来て以来、十日もあの状態ですやん」
「そろそろ止めないと倒れちゃうだろうね」


「でも、なんで雅治さんは全部自分のせいにしはったんスかね?
本当の事はいつかバレますやん」
「それでも、彼に記憶がない以上は今のままがいいんだよ」


「いつ俺らん事、思い出してくれるんやろ
  "辰さん" 」



「お前等、ぜってぇ許さねー」


「オレの大切な人達を返せよっ!!」



芥川と財前が見つめる先にいる、結界の中に閉じ込められている男は記憶を亡くした"舞村辰"だった





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