短編小説

□空―We're not Alone.―
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朝、蒲団から動こうとしない
躯をひっぺがして、服に着替え、
朝御飯を食べて何時ものように家を出た。
空が、蒼い。嫌になるほど。
青空は嫌いだ。
特に、今日みたいな青い空は。
学校に着くと、教室のあたしの机の上に
百合の挿さった花瓶が置いてあった。
愕然としてるあたしに
誰かがすれ違い様囁いた。

―――死ねよ。

目眩、吐き気、腹痛。
私は、ランドセルを背負ったまま
席にも着かずに走って学校を出た。
もう、生きてる事に我慢が、出来ない。
朝、上靴が隠されてないし、
画鋲も入ってなかったのは、
こういう事だったんだ。
私は、学区外れの廃ビルへ向かう。
途中で邪魔になったランドセルを
家の前に投げ捨てて。
我慢が出来なくなったら行こうと、
半年前から決めていた。
あたしは廃ビルの階段へ。
黄泉への階段を昇る。
生という名の地獄から
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