遙か3小説
□散髪
1ページ/5ページ
Side.譲
時空を越えて数ヶ月。
京の生活にも慣れ、怨霊退治にも慣れてきた。
…低くなった視点にも。
日常生活に支障はないが、少し面倒なことが一つ。
「やっぱり…伸びてるよなぁ」
視界を遮り始めた若草色の見慣れた髪。
ただでさえ視力が悪いというのに、これ以上悪くなってはたまったもんじゃない。
その前にこの時代には髪を切る道具ってあるのか?
九郎さんや弁慶さんは長いし…あ、景時さんは短いか…。
じゃあこういうのは景時さんに聞いたほうがいいのかな?
丁度沸いたお湯でお茶を淹れ、あらかじめ用意していた茶菓子もお盆に二人分乗せる。
向かうは縁側、楽しそうに洗濯物を干す貴方の元へ。