B O O K

□さよなら、涙
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私は弱虫。
少し辛いことがあると泣いてしまうし、酷いことを言われても言い返せない、そんな自分が嫌いだ。




「泣いてんの?」


やってしまった、私は瞬間的に思った。涙を拭くのも忘れて。
秘密基地の近く、工場の裏。
こんな所で泣いたら誰かに見られるだろう、と自分を責めた。
声の主の顔を見て、ますます絶望する。
ジャイボ。絶対、からかわれる。光クラブの皆に言い触らされる。
「きゃは、名無しったら泣くと不細工ー」…といったところだろうか。
彼ならそんなことを言いそうだ。私は言い訳を必死に探した。笑われるのは、いやだ。


「あの、これは煙くて…」
「大丈夫っ?」
「え…」
「誰に苛められたの!?…あ、もしかしてニコ?あいつ名無しに厳しいもんね。許せない!」


勝手にヒートアップするジャイボにたじたじしながら、ジャイボってこんなキャラだっけ?と思ってみる。


「違う、よ?」
「え?違うの?じゃあ誰?」


本気で心配しているらしい彼の顔色に、私は最大の勘違いをしていたことに気が付く。


(光クラブの中で、一番優しいのかも)
涙はいつの間にか乾いていた。

私は弱虫。
少し辛いことがあると泣いてしまうし、酷いことを言われても言い返せない、そんな自分が嫌いだった。
ジャイボの前でだけの弱虫は、許されるのだろうか?




泣き虫毛虫





(ごめんね、)
(ん、なにが?)





・・・・・・・・・・

あれ、想像以上にぐだぐだ
泣き虫なヒロイン多いな…

20080812



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