03/16の日記
18:12
君子蘭(みえっぱり)
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「……泣けよ」
乱菊は日番谷の言葉に目を見開く。
カタカタと震える指先をギュっと捕まえて。蒼の瞳をジッと見据える。
「いやだぁ〜泣きませんよ!子供じゃないです」
引きつる笑顔が痛々しい。
苦しくても、痛くても、乱菊は全てを胸の内に押し込む。いつか許容量を越えてしまうかもしれない。
「意地っ張りでみえっぱりはガキより質が悪い」
「なっ…どうせ……」
強がりを言う乱菊の頬をギュっとつねる。
「…痛い」
「…だろう。……泣けよ」
やがて蒼い瞳から一滴、また一滴と。
ポロポロと透明な宝石が零れる。
日番谷はそれを優しく拭い、あやす様に頭を撫でた。
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