03/04の日記
21:29
あぜび(献身)
---------------
見慣れない天井が目に入り、少しずつ意識が浮上する。
ボンヤリと視線を移すと、乱菊が日番谷の手を握りスヤスヤと眠っていた。
「日番谷体長…気が付かれましたか」
静かな声が自分を呼ぶ。卯ノ花がフワリと微笑んでいた。
「……卯ノ花…病棟か」
「そうですよ。貴方は過労で倒れたのですよ」
何となくは、覚えていた。フラフラして立っていられなくなり…遠くで松本の悲痛な声がして。
そんな声は聞きたくねえ。俺は大丈夫だ!そう思っても鉛の様に体は重く、暗闇に引き摺られる意識を浮上する事は叶わなかった。
それからの記憶は
ない。
「昨日からずっと眠っていたのですよ。その間ずっと松本さんは片時も側を放れなくて…献身的にお世話をしていたのですよ」
もちろん、松本に医療知識はない。献身的と言っても卯ノ花達の簡単なサポートだろうが、その気持ちが有り難く、日番谷は嬉しかった。
金糸に指を絡ませ、
すまねえ。
そう、小さく呟いた。
.
前へ|次へ
□ 日記を書き直す
□ この日記を削除
[戻る]