□ばいばい、愛しいベイビー
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あれから何時間経ったのか…激しい攻防戦の末、お互いにボロボロの大流血。私はというと、ボロボロの血塗れになって地面に倒れている。浅く速い呼吸を繰り返す度にゼイゼイと喉は音をあげる。咳き込む度に口内からは溜った血が溢れだす。





「名無し、そんなんじゃオイラを止めることも殺すことも、出来ないぜ?」



そんな地面に転がる私に冷たい視線を投げつけるセドル。あーあ、やっぱり負けちゃったか。やっぱり止めること、出来なかった。ついに愛する人に殺されるってわけね。私まだまだ弱いんだな、あーすごい悔しい。残念なことに私にはもう抵抗する力は残ってない。あるとすれば減らず口だけだ。







「っけほ……、一思いに…はあっ…殺して…よ…目…玉ば…っか!げほげほっ」

「………言われなくても、今殺してやるよ」




上から見下ろしてくるセドルに向かって血で悪くなった視界に睨みを効かせ、吐き捨てた。高く腕を振りかざすセドルを下から見上げて、そして目を瞑る。視界が完全に閉ざされる前に見えたセドルは、薄く笑みを浮かべた顔だった。ああ、もっと私が強かったら。楽しいだけじゃ本当に強くて狂気的な人には勝らない。あんたのことは今の今まで本気で愛してたよ。目を瞑り心の中で呟いた。

















「止ーめた」



「………………は?」



目を開けると私の頭元にしゃがみこむ真顔のセドル。


「名無し、オイラにこんなにボコられてどう思った?」

「…はっ、悔しい…に、げほ…決まってんじゃん…けほ…私が…セドルよりも…あと少し、強かったら」

「オイラを止めるか殺すかが出来たって?」

「…………そうよ」

「殺すの、勿体ねーと思って。お前これからも強くなるだろーし、美食會に入る可能性だって高けーし」

「…はっ、なに言って」

「もっと面白くなりそうだから、殺るの止めた」

「げほっ、なにそれ…はあ…殺しに…来いって…言ってんの?後、追いかけて…こいっ……て?」




嘲笑うかのように言ったらセドルは肩を竦め、ヘラリと笑った。

笑って言葉を繋げる。無理やり連れていくつもりもさらさらないって言ったしー




「だからここで、バイバイ名無し」




さっき、最後だって言ったじゃん。ああ、それは私からするのがってことだけど。覆い被さって好き勝手に唇を奪うセドルに、心の中で呟く。最後の最後のキスが血の味って、なんだかなー、私たちらしいかも。











そして、私の前から姿を消して、年月を経て美食會という組織の幹部となったセドル。

犯罪者の塊みたいな組織だし、すぐにどうしてるかなんて情報は流れてくる。






あの日から、数年。生かされた私は決意をひとつに生きてきた。私はセドルにあえて反対するかのように美食屋となる道を選び、IGOに入って、グルメ細胞も入れた。この組織にいたら必ずセドルと会える機会があるし。何だっていい、利用出来るもんはする。いつどこで遭遇してもいいように、私はこの数年、血反吐を吐いて修行したんだ。






「セドル、あんたを殺すためなら、ね」








ばいばい、しいベイビー





―強くなったら、
―まだ愛してるから、


(私…、殺しにいくから)

(オイラが殺してやるから)



再び出会うときは、開戦の合図








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捏造です。狂愛です。狂愛になるんですかね、これ←殺しあってまだ愛しててだから殺しにいくって十分狂っちゃってますよねー←狂愛+重たい内容ですよね、文章能力乏しいし分かりにくくてすいません(;_;)

美食會に属してない時のセドルと、戦うことが大好きで最後には強さを求めるヒロインちゃんとの妄想の捏造産物でした。ちなみに本館の小説をかなりリメイクしたものでもあります←

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