□傍から見ればそれは、
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入学式にセドルが女と喧嘩した。しかも本気で女を殴った。あー、きっと顔面の骨折れたなありゃ、つーか生きてんのか?なんて思いながらその様子をユーと面白がりながら見ていた。
セドルも、あー、やっちゃったな〜的な顔してたけど吹っ飛ばされた女は唇を切ったらしく袖で拭い、鼻血をだらっだら流しながら真っ直ぐセドルに向かって歩いてきた。あろうことか、その女は笑い、セドルを殴り返した。あの、セドルを。急所をおもいっきり蹴りあがた時点で何だこいつ、って思ったけどな


そんな度肝の座ったうるせぇ女とセドルが自然にツルむ様になって、1年。そうなると自然にオレたちとも仲良くなるわけだ。1年の時に同じクラスでとんでもなくうるさかったこいつらはまた2年でも同じクラスになりやがった。まじ学校は何を考えてんだか。ほんと授業とか関係なしにいきなり喧嘩をおっ始めるあたりが迷惑きまわりない。まあほんとはこいつらお互いに好きなんじゃねぇの?って思うくらい仲もいいけどな





「はっ、また2人で廊下に立たされてんのかよ」

「うっせーぞ、ボギー!好きで立ってんじゃねー」

「そうだよ、ボギー!あたしは毎度迷惑してるんですぅー」

「あぁ?お前だって半分比あるくせに、自分は悪くないって顔してんなよ!」

「だってそうじゃん!あんたがバカな行動してさらにあたしのコーヒー牛乳全部飲むから!」

「まだ言ってんのかよ!…何だよその目は…わーったよ!昼にコーヒー牛乳奢ってやっから。それでいいだろ」

「うん!そうこなくちゃね!」

「うぜー」

「お前らまじで小学生レベルだな」

「いやいや、ボギーだってあんなことセドルがしたら絶対殴るよ、うん。120%そう」

「確かにな、3階から叫んだときはアイアンブローをきめてやろうかと思ったけどな」

「あっははは!きめてやればよかったのに〜」



俺の話を聞きながら机をバシバシ叩きながら大笑いする名無し。それに反応した隣の席のセドルは名無しに向かっておもいっきり消しゴムを投げつけた。大笑いしていた名無しの頭にクリーンヒットした。べしっ!という鈍い音と床にコロコロ転がる消しゴム。



「っでぇ!?」

「ぷっ…わはははっ!」



瞬間吹き出した俺。ヒットした頭をさすり消しゴムを拾う名無し。



「よっ…と、」

「ああ、わりーわりー。手元がくるっちまったぜ」



ニヤリ、と笑いながら名無しが拾った消しゴムを貰おうと手を差し出すセドル。黙ったままの名無しはきっとなにか企んでるんだろう、やられたら絶対やり返すやつだしな。てゆうかこいつら1日に喧嘩しすぎじゃねえ?よく飽きねぇよなー




「いいえ、セドル君。いいんですよ、別にっ!!」



拾った消しゴムをあろうことか、廊下に向かって全力投球。そこに通りすぎたマンサムのハゲ頭に狙いを定めたらしい名無しの投球はバチィッ!という気持ちのいい音をたて見事に当たった。



「誰だぁ!?消しゴムを投げる奴は…ム?セドル!またお前か!!」

「は?なんでオイラ?」

「馬鹿もんが!名前が書いとるだろうが!!ちょっと来い!その歪んだ精神を鍛え治してやるわ!」

「はあーっ?てめっ、名無し!」

「あっはっはっ!ざまーみろーいっ!いってらっしゃい、セドルく〜ん」

「テメー!覚えとけよ!つーか、離せよハゲ!!」

「何!?ハンサム?何だ、お前誉めたって許さないぞ」

「言ってねーだろ!そんなこと!」



マンサムにずりずりと引きずられていくセドルを楽しそうに見送る名無し。


「戻ってきたらセドルにまた仕返しされんじゃねぇの」

「ふっ、上等!」



ぐっ、と親指をたて笑顔で言う名無し。案の定帰ってきたセドルは怒り心頭で名無しに向かって、「ほんと可愛くねえ女!」と吐き捨てていた。それに対して「あんたに可愛いって言われても嬉しくないし。趣味悪男!」と言い返していた。まじでこいつら無限ループ。




「ーで?今度はまた仲良く昼飯買ってんのか」

「ん〜おいしっ!セドルありがとう、ほんとに奢ってくれて」

「名無しにしつこく言われるのめんどーだからな〜」

「優しいセドル君に一口コロッケパンをあげるよ、はい」

「お、まじ?サーンキュウ」



ほい、と出されたコロッケパン。名無しの手首を掴みあたり前のようにパクっと食べるセドル。ほんと、お前らの関係って…








傍から見ればそれは、


(まるでただの痴話喧嘩)




ほんとこいつら…いつになったら成長すんだろうな。まあ、見てて飽きねーけど






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ボギー視点でした。
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