小説

□水城様より
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欲望には忠実に★(ハオ)


忠実すぎなんよっ(葉)






正しい授業のサボり方





こつこつこつ。



生徒の大多数が教室という檻に閉じ込められて、廊下は静まりかえっている。
そんな中に響く足音



こつこつこつこつ、


こつこつこつこつこつ、


こつこつこつこつこつこつ、カツッ!



足音はその主の感情を表すかのようにどんどん大きくなりながら、一階の隅・保健室を目指す。その近くの美術室の授業などお構いなしに、だ(注意しようと廊下を覗いた教師Aはその者の眼光に瞬殺された)

ガラリと扉を上げて保健室に乗り込み、一番隅のベッドへ向かう。そしてカーテンに手をかけて…



「起きるんよっ、麻倉ハオ!」


ベッドで眠る、体調不良者に手厳しい言葉を投げつけた。




が。




「すー…」

「狸寝入りはやめるんよ!」

「……何だい母さん。今日は日曜日だよ?日曜日は昼過ぎまで寝るのが掟だろ」

「今日は火曜日だし、オイラはお前の母ちゃんじゃないんよっ」


起きろーと叫んで、体調不良者の体を揺すると、漸く体調不良者は上体だけ起こした。


「はぁ…、体調不良者を生徒会長サンがムリヤリ叩き起こすなんて、酷いよね」

「どうせ、お前はサボりだろ!」

「生徒会長サンがこんないたいけな生徒を信じないなんて」


はあ、とワザとらしくため息をつく体調不良者に生徒会長は呆れた顔をする。


「おめえには前科があり過ぎなん…」

「ああ、そうだね」


セリフもそこそこに、ハオは生徒会長をカーテンで遮り、再び横になった。


「ちょっ、コラ!人の話を聞くんよっ」

「煩いなぁ…生徒会長サマがそんなサボり魔不良に何の用?」

「おめえを連れ戻しに来たんよ!」

「あ、そ。残念ながらもう閉店しました、残念、無念、また来年(超棒読み)」

「そこは来週なんよっ」


さぞや、ツッコミの血が騒ぐ様な漫才と化しているやり取りに突っ込む輩は残念ながら、誰もいない。


「はぁ…サボってばっかだと留年するんよ。もうハオ、出席日数もヤバいし…」

「ハイハイハイ。キヲツケマス」

「棒読み禁止っ」




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