NOVEL-1-

□埋まらない幅と埋められる距離
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●まえがき●
土方君誕生オメデトウ!
原作設定ですが、原作よかちょいと先の話です。











お前にこんな事言ったら
笑われるかな?

それとも、お前の事だから
大喜びか?



『埋まらない幅と埋められる距離』










「郵便でーす」
「はぁい」


皐月。
春も麗らかで、暖かくなり始めた今日この頃。

ここ、万事屋銀ちゃんは
今日も閑古鳥が煩いくらい鳴いている。

そんな中、届いた一つの荷物。


「銀さん、これ銀さん宛ての小包です」
郵便を受け取った新八が小包を持って来た。

「あー?誰から?」
「…?『かわいいおっさんより』って書いてありますよ?」
「はぁ?」


なんて間抜けな差出人名だよ!?

新八からその小包を受け取ると、確かにそう書かれている。


ちょっと振ってみるとカタカタと音が少しするだけ。
中身は不明である。

何なんだ?激しく気になる中身。

箱を覆うガムテープを取ろうとすると、バタバタと廊下を走る音がした。


「新八ー!もう出て行く時間アル!」
「もうそんな時間?」
「早く行くアル、ヤツが来るアル」

神楽は新八の手をぐいぐいひっぱりながら歩き出す。


「おい、どこ行くんだよお前ら」
「はぁ?何言ってるアルか!今日何日だと思ってるアル!」


何日?


えーっと、5月のぉ……







あ。






「すまん。神楽、新八。気を使わせて」
「今更何言うアルか、バカップルが」
「…」
言い返す言葉も見つからない。

「明日の昼には戻るから、せいぜいイチャコラするヨロシ」


神楽と新八は揃って出て行った。


気づけばあいつらも昔とはすると大分大人になったもんだ。





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