NOVEL-1-
□季節の変わり目ですから
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…べべべべべべべ
別に俺ぜーんぜん気にしないもんね!
…うん!そうそう。
……うー…
『季節の変わり目ですから』
「…まじでか?」
もうすぐ夏が迫る今日この頃。
風呂上りの俺は思わず呟いた。
玄関先ではバタバタと音が聞こえる。
「銀さーーん、もう僕たち行きますからねー?」
新八の声が聞こえる。
…いや聞こえてるけど、今頭に入らない。
「…あれー?お風呂から上がる音したのになぁ…返事がないなぁ」
「あたし見てくるアルね」
あー…やばい…。
いやいや、やばくない!
断じてやばくはない!!!
思い込み思い込み…。
自分の中で葛藤が続く。
「銀ちゃん、体重計の上で何ブツブツ言ってるアルね?」
「はッ!」
寝間着姿で体重計の上で硬直する俺を神楽が見つけた。
神楽は外出する格好である。
「あれ?どっか行くのか?」
「銀ちゃん、さっき言ったアルよ。うちは食べるもん無いから新八ん家の晩飯食べに行くアル。肉らしいアルよ!」
「あ…そっか」
「銀ちゃんも早く仕度するアル」
「あー…俺は…」
しばし沈黙。
「行かねぇや」
「何でアル?太ったアルか?」
!!!!!
THE☆図星。
って顔したと思う…俺。
「だから体重計の上でブツブツ言ってたアルか」
「うるせぇ!ほっとけ!」
「もー神楽ちゃんも銀さんも何してるんですかぁー!?」
玄関先で待ちくたびれた新八の声がする。
「じゃ行って来るアルよ」
「あんまり迷惑かけんじゃねーよ」
バタバタと子供たちが出て行った。
静かになった家にぽつりと一人。
いやいやいやいや。
太ってねーから、俺!!!