NL小説

□桜咲ク頃
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「お妙さぁぁぁん!!!!奇遇ですね!!」

「近づいてくんじゃねぇよゴリラァァ!!!!」

「…またやってやがるよ」

「ホント、近藤さんも懲りないですねィ。そして死ね、土方コノヤロー」

「んだと!?」






去年、一昨年……アイツが居なくなってからのこの4年間、毎年春は似たような光景を見て、似たような台詞吐いて、似たような事をして……

それはそれで楽しいのだけど、やっぱりアイツが居ないとドコか寂しいもんで……

まぁ、アイツが自ら父親に付いてくと言ったから・・・・『待ってて』と言ったから、しょうがないのかも知れないが。





「土方さーん」

「あぁ?ンだよ」

「俺ァ暇なんでどっかで昼寝してきやす」

「イヤ、暇じゃないだろ、普通に見回りとかすれよ!!!」

「黙れ土方コノヤロー」

「お前、今日そればっかだな…っていねぇや」





土方さんがなんか言ってたけど、そんなの聞く耳も持たなくて

俺は何となく、ブラブラとその辺を歩いていた。



フ、と顔を上げてみるとソコは坂の上で、何本とある桜の木の下にいる人達がよく見えた。


(まぁ、良くもあんなに人がゴチャゴチャ居るのに平気な顔で居られますねィ。)



俺は取りあえずその場に座り、訳もなくただ何となく花見を楽しんでる奴らを観察する事にした。


頭のドコか奥で、アイツの事を考えながら。




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