Short Story

□嫌いにならないで
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―10分後。





「後はパソコンで編集するだけ」





帰りたい一心でパソコン画面に向かう。


その時、机の上に置いておいた携帯が鳴った。





「誰だよ、邪魔してきたヤツ。良い所だったのに」





自分の携帯を手に取り、メールを開く。





――――――――――――
From 跡部景吾
Subject 終わったか?
――――――――――――
まだ学校にいるよな

家に帰るとき雨降ってたら
俺の傘使えよ
    ---END---
――――――――――――





……え?


私が今見ているメールは本物ですか?


あの俺様何様跡部様が私のために傘を貸してくれるなんて。


何を考えてるのさ。


これ以上私に期待をさせてどうする気?


告白断ったくせに。





――――――――――――
To 跡部景吾
Subject なんとかね
――――――――――――
もっと早く言ってよ

ずぶ濡れで帰ってきちゃっ

    ---END---
――――――――――――





曖昧な関係なのに傘なんて借りれるか!!


私は気付かれないように嘘を付く。








素直になれない私を。


せめて卒業するまでは好きでいさせてください。



〜fin.



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