Short Story

□嫌いにならないで
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2年生になって、生徒会に入ってから跡部を好きになった。


理由は私を変えてくれた人だから。


この想いをどうしても伝えたくて2年生の終わりに告白をしたけど、断られた。


わりぃ、て。


どうして謝るの?


私、諦めないから。





「雨降ってきたね」


「そうだな」





3年生になって跡部が生徒会長になり、私は副会長となった。





「天気予報の嘘吐き」





今日は生徒会の仕事が少ないため、私と跡部の2人で片付けることにした。





「天気予報の所為にするな」


「だって、傘無いんだもん」


「あーん?忘れてきたのかよ」


「うん。帰るまでに止むかなぁ?」


「どうだか。しゃべってないで手を動かせ」


「はーい」





自分だって話してたくせに。


なんて言えるはずもなく、仕事を再開する。





「俺は帰るからな」


「えー、もう終わったの?」


「当たり前だ。俺を誰だと思ってる」


「手伝ってくれたり」


「しねぇ」


「ですよね…。ばいばい」





跡部はカバンを持って生徒会室を出て行った。


私も早く終わらせて帰ろう。


終わる頃には止んでるでしょ。





ところが雨は止むどころか、強まる一方だった。





「明日、風邪ひくかなぁ?」





こんなことなら置き傘すればよかった。





「とりあえず早く終わらせよう」





考えるのはそれからだ。



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